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ガソリン+電気のハイブリッドドローン「HYBRiX 2.1」が10時間14分の世界最長飛行時間を記録


一般的なドローンは充電池による電気のみで駆動しますが、ハイエンドの業務用ドローンでも連続飛行時間がおよそ1時間ほどと、連続飛行時間の短さが課題となっています。ドローンメーカーのQuaterniumが発表したマルチコプター型のドローン「HYBRiX 2.1」が10時間14分の滞空飛行を行い、ドローンの連続飛行時間の世界最長記録を樹立。完全電気駆動型のドローンのおよそ10倍の飛行時間をアピールしました。

HYBRiXlong-endurance drone – Quaternium
https://www.quaternium.com/uav/hybrix-drone/

HYBRiX2.1 sets new world record for UAV flight time: 10 hours, 14 minutes - UASweekly.com
https://uasweekly.com/2020/10/26/hybrix-2-1-sets-new-world-record-for-uav-flight-time-10-hours-14-minutes/


HYBRiX 2.1のデモ運転の様子は、以下のムービーで見ることができます。

Professional demo of Hybrid drone at CATEC | by Quaternium - YouTube


HYBRiX 2.1は、市場最小の燃料制御装置を開発したドローン向けエンジンメーカーのLöweheiserと共同で開発されたドローンです。


プロペラを含めたサイズは縦約163cm×横約91.3cm×高さ約51cm。メンテナンスをする男性スタッフと比べると、その大きさがよくわかります。手前中央に見える白いタンクは、オクタン価95のガソリン燃料を入れることができるタンクです。


上部カバーを外してスイッチを入れて……


再びカバーを閉じます。


飛行デモを行うスタッフ。スタッフの手元にあるプロポがドローンのコントローラーです。


HYBRiX 2.1は最大離陸重量が25kgで、時速50kmで飛行でき、最高速度は時速80kmに達します。ガソリンエンジン部分の小型化に成功したおかげで、ガソリンと充電池の残量が最大の状態で2時間~4時間の飛行が可能と、従来のドローンに比べて飛行時間が大幅に向上したとのこと。


そして、HYBRiX 2.1が連続滞空飛行テストを行う様子を、Quaterniumがムービーで公開しています。

New World Record of 10 hours 14 minutes with HYBRiXdrone - YouTube


HyBRiX 2.1に搭載されている2ストロークエンジンとバッテリー


連続飛行時間の世界記録に挑戦するため、燃料タンクは16リットルの大容量タンクに換装されています。


実験は朝8時20分に始まりました。


滞空し続けるHYBRiX 2.1


HYBRiX 2.1をバックに記念撮影をするスタッフ


スタッフによる監視のもとで滞空試験は続けられ、HYBRiX 2.1は18時34分に着地し、10時間14分の連続飛行という世界記録を打ち立てました。


従来のドローンは連続飛行時間が1時間程度であることから、長時間のミッションには向いておらず、長時間の撮影や遠距離への荷物の運搬、農業への応用は難しいとされてきました。しかし、連続飛行時間10時間超えを達成したHYBRiX 2.1であれば、これまで不可能とされてきたミッションも可能になります。また、搭載しているカメラの映像は半径6kmにまで送信可能なので、セキュリティシステムとしても期待できます。

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in ハードウェア,   動画, Posted by log1i_yk