「民主党は投票不正をやめろ」と訴えるトランプ大統領支持者らのFacebookグループが削除される
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2020年11月に実施されたアメリカ大統領選挙は非常に激しい接戦となっており、郵便投票が行われた影響で記事作成時点でも開票作業が完了していません。そんな中、現職のドナルド・トランプ大統領の支持者は「民主党が投票不正を行っている」と訴えるFacebookグループを作成し、あっという間に数十万人ものメンバーを集めていましたが、Facebookがこのグループを削除したと報じられています。
A GOP-Linked 'Stop the Count' Facebook Group Is Gaining Thousands of Members a Minute
https://www.vice.com/en/article/xgzx8q/a-gop-linked-stop-the-count-facebook-group-is-gaining-thousands-of-members-a-minute
Pro-Trump operatives coordinated viral #StopTheSteal events. Facebook shut them down.
https://www.nbcnews.com/tech/tech-news/pro-trump-operatives-coordinated-viral-stopthesteal-events-facebook-shut-them-n1246655
アメリカ大統領選挙は記事作成時点でも激戦州における開票作業が続いており、共和党のトランプ大統領が勝利するのか、民主党の対立候補であるジョー・バイデン氏が勝利するのかはっきりしていません。この状況下でトランプ大統領は「集計をやめろ」と訴え、開票・集計作業そのものに異議を唱えています。
トランプ大統領は現地時間の11月5日に、「合法的な票を数えれば私は簡単に勝っている。違法な票を数えれば、彼らが選挙結果を盗むことになる」と述べ、郵便投票を巡って民主党が不正を行っていると主張。一方のバイデン氏は「すべての票が集計されなければならない」と述べ、トランプ大統領をけん制しています。
米大統領選「鍵となる地域で大きく勝っている」トランプ大統領 | アメリカ大統領選 | NHKニュース
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201106/k10012697841000.html
そんな中、Twitterではトランプ大統領の支持者が「#StopTheSteal」というハッシュタグで民主党の投票不正を非難するなど、SNS上でトランプ支持の動きが活発化しています。
Facebookにも「StopTheSteal」というグループが作成され、現地時間の11月5日午前8時45分の時点で26万3000人以上のメンバーが参加し、午前10時30分までにメンバー数は30万人を突破。最終的に35万人以上が「StopTheSteal」に参加したとのこと。グループの参加者が急速に増加したのは、他のトランプ支持者からなるグループ内で「StopTheSteal」についての情報が共有されたためとみられています。
このグループを運営するのは、Women for Trump PACやWomen for America Firstといったトランプ氏を支持する政治団体の事務局長を務めているKylie Jane Kremer氏や、その母親であるAmy Kremer氏など、熱烈なトランプ支持者たちです。
グループの概要について説明するページでは、「民主党は共和党員の投票の権利を剥奪し、無効にすることを計画しています。これと戦って止めることは、私たちアメリカ人の手に委ねられています」「トランプ大統領と共に、私たちは国益のために選挙の完全性を確保するべく、必要な全てのことを行います。これは連合・チームの努力です。投票の完全性を確保するため、私たちには実働部隊が必要です」と訴えられていました。
「StopTheSteal」では、選挙の完全性が民主党によって脅かされているとの訴えに基づき、メンバーの一部は武力行使を呼びかけるような投稿もしていたとのこと。投稿の中には、「銃を持ちなさい。憲法の修正第2条は狩猟に関するものではありません。暴君政権を倒すための弾丸が必要です」「私は銃の準備ができています。15丁のアサルトライフルはあきらめません」といった言葉もあったそうです。
グループの管理者も現実世界での集まりを計画しており、激戦州で開票が行われている場所について共有したり、地元の集会を開くことを訴えたりしています。11月7日に数千人のメンバーが参加する大規模なイベントが計画されているそうですが、具体的な場所はわかっていません。
そしてFacebookは、11月5日の午後2時までに「StopTheSteal」を閉鎖しました。Facebookは「緊張が高まるこの時期に私たちが採用する例外的な措置に沿って、現実世界のイベントを作成していたグループの『StopTheSteal』を削除しました。このグループは選挙プロセスの非合法化を中心に組織されており、一部メンバーによる暴力を心配する声がありました」と、「StopTheSteal」の削除理由について述べています。
しかし、グループの管理者もいずれFacebookによってグループが削除されると予見していた模様。管理者は新たに参加したメンバーに対し、外部のウェブサイトに登録するように呼びかけることで、Facebookグループが削除されても活動を継続できるようにしていたとのこと。
政治系シンクタンクのウィルソン・センターでフェイクニュースについて研究するNina Jankowicz氏は、「グループは信頼できるスペースであるため、人々がその中で見つける情報を精査する可能性が低くなります。また、人々は関心と脆弱さでセグメント化されており、フェイクニュースの主要な攻撃対象でもあります」と述べ、グループ内でフェイクニュースが増幅される可能性が高いと主張しました。
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