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トイレットペーパーがない時代に人々は何でお尻を拭いていたのか?


なくなった時にこそ、その重要性を認識するトイレットペーパーは、人類が発明したもののうち「最も過小評価されている文化財」ともいわれています。そんな偉大なトイレットペーパーが生まれる前に、人はどのようにしてお尻を拭いていたのか、科学ジャーナリストのタラ・サントラ氏がまとめています。

What did people use before toilet paper was invented? | Live Science
https://www.livescience.com/toilet-paper-history.html

テキサス州立大学の中世文学教授であるスーザン・モリソン氏によると、過去の人々がトイレットペーパーの代わりに使っていたものを考古学的証拠から理解することは非常に難しいとのこと。多くの場合、トイレットペーパー代わりのものは有機物であり、既に消失していることが多いためです。しかし、いくつかのアイテムは書物や記録の中に残されています。


2016年の調査では、シルクロードで発見された古代のトイレ遺跡の中から、2000年前の中国で布を巻き付けた竹の棒がトイレットペーパー代わりに使われていた証拠が発見されました。この棒は「bamboo slips」とも呼ばれています。

また紀元前332~紀元後642年の間の古代ギリシャ・ローマ世界では「テルソリウム」というスポンジ付きの棒が公衆トイレを利用する人々の間で共有されていたとも考えられています。テルソリウムは塩水や酢水、あるいはトイレに流れる流水につけて洗浄されたとみられますが、一部の学者はテルソリウムがトイレットペーパー代わりに使われたものではなくトイレ掃除の道具だとも主張しています。

またふん便がついた陶器の破片や、陶器の破片でお尻を拭く男性のイラストが考古学的証拠として見つかっていることから、ギリシャやローマでは、楕円型あるいは丸型の陶器の破片をトイレットペーパー代わりにすることがあったともみられています。特にギリシャでは、陶片追放の際に追放した人の名前を書いた陶器の破片でお尻をふく風習があったそうです。ただし陶器の破片によってお尻に炎症が起こったり、外痔核になったりする可能性があったとのこと。


また日本では8世紀ごろから籌木(ちゅうぎ)という棒が使われていたといわれています。このように木の棒をトイレットペーパー代わりに使うというアイデアは歴史的に広く存在しましたが、それ以外には、木の葉、草、石、動物の毛、貝なども利用されていました。モリソン氏は、中世の人々がコケ・干し草・タペストリーの破片などを使っていたと述べています。

16世紀の作家であるフランソワ・ラブレーが記した風刺には、中世西欧の世界で初めてとも言えるトイレットペーパーに関する記述があります。ラブレーはトイレットペーパーについて否定的であり、「ガチョウの首の方がいい」と皮肉りました。

現代では技術の発達により、トイレットペーパーが世界中で使われるようになっていますが、COVID-19の流行時には世界各国でトイレットペーパー不足が発生しました。インドでは紙を使わず水で洗浄する方法が一般的であることから、COVID-19流行の際にも「水で洗えばいい」というアドバイスが広まったこともあり、今後「トイレットペーパー」の存在が別の選択肢に置き換えられる可能性も十分に考えられます。

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in メモ, Posted by darkhorse_log

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