ホロコーストを否定するコンテンツをFacebookが全面禁止

Facebookが、ヘイトスピーチに関するポリシーを更新し、第二次世界大戦中にナチス・ドイツが行ったユダヤ人の大量虐殺(ホロコースト)を否定あるいは歪曲するコンテンツの投稿を禁止することを2020年10月12日付けで発表しました。

Removing Holocaust Denial Content - About Facebook
https://about.fb.com/news/2020/10/removing-holocaust-denial-content/

Facebookは以前からヘイトスピーチへの取り組みを行ってきました。Facebookのコンテンツポリシー担当ヴァイスプレジデントのモニカ・ビッカート氏によれば、これまで250グループ以上の白人至上主義コミュニティを禁止し、極右系陰謀論を唱えるQAnonや過激派グループに対処するため、ポリシーを更新してきたとのこと。また、Facebookは、QAnonの利用を全面的に禁止することを2020年10月8日に発表しました。

Facebookが陰謀論者グループ「QAnon」の利用を全面的に禁止 - GIGAZINE

しかし、ホロコースト否認論者の主な活動場所がFacebookとなっているだけでなく、Facebookで「ホロコースト」を検索するとアルゴリズムがホロコースト否認論を主張する本をおすすめする点が問題視され、「Facebookがホロコースト否認論を世間に広める温床になっている」と批判されていました。

Facebookは「ホロコースト否認論」を積極的に促進しているという指摘 - GIGAZINE

ビッカード氏は、18歳～39歳のアメリカ人のほぼ4分の1が「ホロコーストは作り話だ」と信じているか主張している、もしくは「ホロコーストが歴史的事実である」と確信が持てないと述べているという調査結果から、「世界的な反ユダヤ主義がますます増えていることと、特に若者がホロコーストについて驚くほど無知であることから、ポリシー変更を決定しました」と述べています。

Facebookのマーク・ザッカーバーグCEOは「今日、私たちはホロコーストの否定を禁止するために、ヘイトスピーチに関するポリシーを更新しています。私たちは長い間、ホロコーストを含む憎悪犯罪や大量殺人を称賛する投稿を削除してきました。しかし、反ユダヤ主義の高まりに伴い、ホロコーストを否定したり歪曲したりするコンテンツを禁止する方針をさらに拡大しています。もしユーザーがFacebookでホロコーストを検索したら、私たちは正確な情報を得るために信頼できる情報源に誘導するつもりです。私は、表現の自由のために立ち上がることと、ホロコーストの恐怖を矮小(わいしょう)化したり否定したりすることによる害との間の緊張に苦しんできました。私自身の考えも、反ユダヤ主義的な暴力の増加を示すデータや、ヘイトスピーチに関するポリシーが広範になるにつれて、進化してきました。受け入れられる言葉と受け入れられない言葉の間に正しい線を引くのは簡単ではありませんが、現在の世界の状況では、これが正しいバランスだと思います」とコメントしました。


◆つづき
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