ヘリコプターを密造して旧ソ連諸国へ違法に輸出していた秘密工場が摘発される
2020年6月30日(火)に、旧ソビエト連邦の1国であるモルドバの国家警察と検察が、ヘリコプターを違法に製造して旧ソ連諸国に密売していた工場を摘発し、工場の関係者を逮捕したと発表しました。
Peste zece elicoptere produse clandestin în Criuleni urmau să ajungă în spațiul CSI
http://politia.md/ro/content/peste-zece-elicoptere-produse-clandestin-criuleni-urmau-sa-ajunga-spatiul-csi
Moldova Shuts Down Bootleg Helicopter Factory | Balkan Insight
https://balkaninsight.com/2020/06/30/moldova-shuts-down-bootleg-helicopter-factory/
摘発された秘密工場はモルドバの首都・キシナウから北東に30kmほど、ウクライナとモルドバの国境を形成するドニエストル川のほとりで発見されました。
秘密工場の格納庫内部
秘密工場で使われていた機械や道具
工場の外に置かれたヘリコプターの一部
この工場では、かつてソビエト連邦で開発されたカモフ・Ka-26というヘリコプターが製造されていました。ただし、この工場は正式な製造ライセンスを受けておらず、Ka-26の違法なコピーを製造し、近隣のCIS諸国へ違法に輸出していたとみられています。
国家警察の捜査により、工場で働いていた人のほとんどが、ウクライナとモルドバに挟まれるトランスドニエストル地区の住人だったことも判明しました。トランスドニエストル地区のコミュニティは「沿ドニエストル共和国」という独立国家を名乗っており、国際的には主権国家として承認されていないものの、モルドバの実効統治が及ばないことから事実上の独立国家となっています。そのため、政治的に複雑な地域であることから、モルドバ国家警察と検察庁の共同で特別捜査が行われ、今回の摘発につながったそうです。
なお、逮捕された秘密工場の関係者は「2人以上による航空機密輸の準備行為」として刑事告訴されるとのこと。モルドバの法律にのっとった場合、懲役3年から10年が科せられることとなります。
・関連記事
旧ソ連のロケット「ソユーズ」の時計はどのような設計だったのか? - GIGAZINE
ピザハットとソ連最後の最高指導者ゴルバチョフとの間にある奇妙なつながりとは? - GIGAZINE
社会主義時代の旧ソ連でプレイされていた軍隊開発のアーケードゲームたち - GIGAZINE
旧ソ連で唯一「発禁処分」を受けていた幻のアニメーション作品「Glass Harmonica」 - GIGAZINE
レーニン像がダース・ベイダーに変身しウクライナが暗黒面落ちの危機 - GIGAZINE
・関連コンテンツ