1000人の男子高校生が「模擬政府」を作り出す実際のイベントを追うドキュメンタリー「Boys State」予告編公開
リーダーシップを身に付けるため、10代の子どもたちが集まって自治的な政治体制をいちから作り出す摸擬プログラムがアメリカ・テキサス州オースティンで毎年行われています。このプログラムに密着し、ロナルド・レーガンを愛する保守派の少年や、進歩的な考えを持つメキシコ移民の少年たちを追い、現代アメリカが抱える社会の縮図を浮き彫りにした「Boys State」の予告編が公開されています。
Boys State — Official Trailer | Apple TV+ - YouTube
テキサス州オースティンでは、毎年、全米から1000人の高校生が集まり、1週間にわたって「あるイベント」が開催されます。
「僕がどのくらい素晴らしいかという3分間の説明は省くよ。ここにいる僕たちはみんな有望な若者だ。そういう素質はみんなに好まれる。だろ?」と自信満々に話す少年。
うんうん、とうなずくだけの少年もいれば……
「そうだね」と返す少年も。
このイベントは少年たちが「自分たちで州政府を作る」ことを目的とするもの。1000人の高校生の中から1人が「知事」として選ばれます。
参加者の1人は「スポーツジャンキーな人っていますよね。僕はそれと一緒で政治ジャンキーなんです」と語ります。
一方で、冒頭で自信たっぷりの演説をしていた少年は「僕にとってこれはゲームみたいなもの。勝つのが好きなんだ」と語っています。
単身オースティンにやってきたメキシコ系移民の少年は……
「僕の家庭はそこまで収入が多くなくて。高校からこのイベントに参加したのは、僕が初めてなんです」と説明しつつ……
「僕は革新的なタイプですが、回りは保守的な人でいっぱいなんです」と現状を語ります。
イベントではスポーツも行うようです。
胴上げシーンも。
集会で……
「私たちの男らしさは決して冒されてはならない」という演説。
それに対して場は大きく盛りあがります。
「こんなにもたくさんの白人を見たのは初めてです」
「ここにいるみんなが、党派心の下に『隠れた欲求』を持っているように感じました」
「団結っていい響きだけど、誰もが選挙に勝てるわけではないから」
そしてみんなで議会に向かい……
一次投票が行われます。
「大荒れの選挙に備えてください」
鼓笛隊の演奏と共に開幕。
「何があっても全力を尽くそう」
「僕は君を全力で支援するよ」という友情あり。
そして冒頭に登場したメキシコ系移民の少年、スティーブンが……
知事に立候補。
「支援するよ」と約束した少年はその瞬間に立ちあがり、大きな拍手を送ります。
この様子に他の少年たちは面食らいます。
「政治的にみて、僕のスピーチの内容について『勝ちたいから言っているだろ』と思う人もいるかもしれません」と雄弁に語る少年。
その少年に対して「僕は彼のことを素晴らしい政治家だと思います」「だけど僕は、『素晴らしい政治家』が褒め言葉だとは思いません」という厳しい見方も。
熱狂していく場内。
かと思えば次の瞬間には居眠りする少年も。
「スマートフォンを触らないで!みんなInstagramに書き込まないでくれ。頼むよ」
……という声を無視して、熱心にスマートフォンをいじる参加者たち。
SNS経由で重要な事項が流出したしまったかのような場面も。
湧き上がる参加者たち。
選挙のゆくえは一体どこへ……。
なお、Boys StateはApple TV+のオリジナルコンテンツで、2020年8月14日から全世界で独占配信される予定です。
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