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問題解決能力を格段に上げる「構造化思考」のコツと具体的な実践方法


かつてGoogleは面接で「スクールバスにゴルフボールは何個入るか?」「全世界でピアノの調律師は何人いるか?」といった奇妙にも聞こえる質問をしていたとして話題になりました。このような質問は求職者を焦らせるためのものではなく、構造化された思考ができるかどうか、論理を使って現実的な推論ができるかどうかを試すものだったと考えられています。過去に得た知識に頼らず質問と論理を重ねることによる問題解決を図る「構造化思考」(Structured Thinking)の具体的な身に付け方を、Eラーニング「Four Minute Books」CEOで「Better Marketing」創業者・編集者でもあるNiklas Göke氏が論じています。

Learn Structured Thinking in 3 Minutes | Forge
https://forge.medium.com/learn-structured-thinking-in-3-minutes-550a2dc2123c

天文物理学者のニール・ドグラース・タイソン氏はかつて、2人の求職者に対して「自分がいるビルの尖塔(せんとう)の高さが分かりますか?」と質問することについて語りました。求職者の1人は偶然、この答えを知っていました。もう1人は答えを知らなかったため外に出て尖塔の影の長さを自分の影の長さと比較し、大まかな尖塔の長さを割り出しました。どちらを雇うかという問いに対し、タイソン氏は「答えを割り出した方です。過去に成し遂げたことに頼らず、頭の使い方を知っていますから」と答えたとのこと。タイソン氏の説明は、構造化思考とは何かを示すものの1つといえます。

上記のような「構造化思考」を使うと、過去に聞いた考えを頼りにしたり、知識がないからと諦めたりするのではなく、問題を分解し、1つ1つパズルのピースを組み立てるように問題を解明していくことが可能になるとのこと。


構造化思考を訓練する方法はいろいろあります。例えば、「あなたのお気に入りのレストランには年間何人がやってくるのか」を考えるのも訓練になります。

具体的に、ドイツ・ミュンヘンにあるレストランについて考えてみるとします。ミュンヘンには150万人もの人々が暮らしているため、まず、そのうち3分の2に当たる100万人が中心部に住んでいると仮定。この仮定が正しいかどうかは気にしなくともOKで、問題をさらに分解する仮説を作ることが重要とのこと。この他、以下のような仮説が立てられます。


・ミュンヘンは10地区に分かれているので、1つの地区には10万人がいる。
・レストランがある地区の人が昼食・夕食のいずれも外で済ます場合、1人あたり週14食が外食になる計算。ただし年配者や小さな子連れの家族は外食しない傾向にあるので、少なくみて平均週3回ほどと考える。それでも週30万食が毎週レストランで提供される。
・地区にレストランが100軒あり、それぞれのレストランが等しく提供を行った場合、1レストランあたり週3000食を提供する。
・この段階で頭の中に描いているレストランが週3000食を提供しているか考える。店は1日12時間、週7日で計84時間営業し、100%稼働した時の1時間あたりの提供数は125食程度と仮定した場合、週で考えると1万500食程度の提供が可能なはず。このことから全体の時間の30%だけが満席だったとしても、3000食は妥当とみられる。
・レストランが休暇のため年2週間は休業したとしても、50週で年間15万食提供することになる。

上記のように大きな数から始めて小さな数を求めることも、逆に小さな数から始めて大きな数を求めることも、どちらも構造化思考といえます。また構造化思考で求めた答えが100%正しいということはなく、おそらく「だいたい正しい」といった程度に収まるとのこと。

構造化思考の「構造」という言葉は創造性を排除しているかのように聞こえるかもしれませんが、実際には、創造性はルールの元でこそ発揮されます。構造化思考を利用すると優れた問題解決能力を持つことができ、人生において多くの利を得ることが可能とのこと。タイソン氏はこのことについて「考え方を知っている人は、答えを知っている人よりも力を持つ」と表現しました。

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in メモ, Posted by darkhorse_log

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