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2冊の魔道書と2つの姉妹について、マンガ「魔道書交換日記」のシリーズが完結するので2作品を振り返りながら解説してみた


2019年3月に連載を開始したマンガ「魔道書交換日記(魔道書)」と、2019年8月にスピンオフとして始まった「魔道書交換日記スピン(スピン)」のシリーズが、2020年5月29日掲載予定の「魔道書交換日記スピン 第6話」をもって完走となります。本編の「魔道書」は2020年1月に最終回を迎えて単行本化済で、「スピン」も第5話の公開から少し時間が空いてしまっているということもあり、完結目前を記念して「魔道書」「スピン」の2作品のつながりや違いを解説しながらシリーズを振り返ってみました。

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魔道書交換日記スピン 第1話「邪悪とは何か。」


◆「魔道書」のメルとルー
「魔道書」主人公の「メル」の人生は、特に得意なことがあるわけでもやりたいことがあるわけでもない、好きなものも嫌いなものもない平凡なものだった。ただひとつ、自分のために描き続けている妄想の日記だけが彼女のすべて。


そんなメルの元に現れた奇妙な格好の美女「モシュナ」は、メルに「魔法」の才能があると語り、幻想の世界へと招き入れる。


メルはモシュナにいざなわれ、明るくキュートな「ルー」という少女に出会う。


メルとルーは魔女・モシュナの弟子となり、「姉妹」として思いと思い出を記し重ねていくことで完成する魔道書、「魔道書交換日記」を書いていくことになった。


魔道書交換日記は、「交換日記」とはいうものの交互に日記を記述していくのではなく、毎晩その日の出来事や感じた思い、考えたことについて自動的に書き込まれていくもの。そのため隠し事はできず、恥ずかしいところまで伝わってしまうが……


ルーの日記は多くが黒く塗りつぶされており、メルには読むことができなかった。


ルーが隠しているものを暴くため、メルは自身の魔法を使って黒塗りを削除。


覆い隠されていたルーの内心には、強い思いと憎しみの炎が燃えさかっていた。


◆「スピン」のレーシーとデュプレ
世界を疎ましく思うレーシー(左)の元に現れた黒衣の魔女・デュプレ(右)。レーシーの中にわだかまる悪意に目をつけたデュプレは、レーシーに甘言をささやきかける。


デュプレの誘いに乗って、レーシーは魔法を使って周りを変えていく。自分をいじめたやつ、自分を助けてくれなかったやつ、思い通りにならないやつ、片っ端から。


レーシーに力を与えた見返りとして、デュプレは自分の「妹」になることを要求する。1冊の魔道書交換日記をともに記す「姉妹」となって、日記が埋まるまでの少しの間だけ一緒に過ごすこと。


デュプレが語った過去は、レーシーと共通するものだった。心を腐らせる状況の中で魔法を知ったデュプレは、片っ端から報復して回った。その罪を裁くため向かってくる追っ手を倒すため、魔道書交換日記を完成させるくらいの強力な力を必要とする。


◆魔道書交換日記の特徴と「姉妹」
魔道書交換日記の特徴は、お互いに埋めていったページを消費することで、強力な魔法を使うことができるという点。


「魔道書」のルーは自らの目的を達するために、「スピン」のデュプレは自分を狙う敵に対抗するために、力を求めて魔道書交換日記と「姉妹」を求めました。


対称的な2つの「姉妹」は、それぞれ同じように、魔道書交換日記を埋めるための思い出を重ねていきます。強い魔法に変えるために消えていく思い出を、1冊の魔道書交換日記のページが埋まるまで。


◆魔道書交換日記を使った最後の闘い
魔道書交換日記は姉妹の絆をつなぐだけでなく、強力な力を手に入れるためのもの。蓄積した思い出をすり減らしながら戦うことを運命付けられています。「魔道書」でも妹のルーが自らの世界を壊した敵にたった1人で立ち向かいました。


相手の力は強く、思い出が消えていくことを気にしながら戦うには限界を迎えます。ルーは姉との思い出が記されたページ全てを消費して、最大の力を発揮することを決意。


姉妹で過ごした日々のことも、初めて出会った日のことも、魔道書交換日記でつながった姉と妹のことも忘れてしまったはずのメルとルーは、決戦の後もう一度出会います。メルの機転によって、思い出を忘れてしまった2人には小さな救いがもたらされました。


「スピン」では姉のデュプレが最後の闘いに臨みます。2020年5月29日更新の最終話では、魔道書交換日記を用いたデュプレの決闘の結末と、思い出を失う姉妹の最後が描かれます。同じような闘いに向かった2組の姉妹の、それぞれのつながりと異なる終幕を、ぜひ2作品合わせて確認してください。


◆「魔道書」と「スピン」
2つの作品は、2組の「姉妹」の関係が対称的というだけではなく、いくつかの明確なつながりが示されています。そのうちのひとつが、姉妹たちの「師匠」について。画像は、メルの元に現れて魔法の世界にいざなった魔女・モシュナ。


「魔道書」の第2話で登場した華やかな魔女・ビノシュ・ベアトリスは、かつて魔道書交換日記を書いたモシュナの「姉」として紹介されます。


同じ人物が、「スピン」の第4話、デュプレの回想の中で登場します。ビノシュはデュプレを魔法の世界に引き入れた「師匠」であり、つまりメルとルーの「姉妹」と、デュプレとレーシーの「姉妹」は、それぞれの師匠が「姉妹」であるという特別なつながりを持っていたというわけ。


もう一つ、2つの作品には運命的なつながりがあります。魔法によってつながった少女たちは、時代や地域も含めて、別の世界出身だという裏設定があります。ただ、そんな世界設定の中で、唯一同じ世界の同じ学校ですれ違う2人がいます。画像は「スピン」の主人公・レーシーで、紫色のストレートヘアとグリーンの瞳が特徴。


そして、「魔道書」でルーの前に現れ、ルーの日常を壊したツインテールの少女。髪型やアクセサリーは変わっていますが、髪と瞳の色は「スピン」で登場したレーシーと一致しています。


「魔道書」では少女の名前が明言されませんでしたが、「スピン」の5話でつながりの分かるシーンが描かれています。決戦に向かうデュプレに、消えていく思い出の中で残るものがほしいと願ったレーシー。デュプレは形見として自分のシュシュをレーシーに残します。


魔道書のページを埋めていく交換日記でつながった2つの姉妹の物語を、この機会に改めてチェックしてください。

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in マンガ,   ピックアップ, Posted by log1e_dh

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