新型コロナウイルス感染症のリスクが高い職業は?感染リスクをわかりやすく視覚化するとこうなる
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、日本各地で院内感染事例が増加しています。防護服として市販のナイロンエプロンを、空気感染対策としてN95マスクを着用することで感染予防をしっかり行っていても、重症患者の看護時には濃厚接触が起きてしまうもので、病院でクラスターが発生してしまうケースがある模様。医療従事者の他にも新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のリスクが高い職業は存在するということで、Visual Capitalistが「COVID-19のリスクが高い職業」を視覚化したインフォグラフィックを公開しています。
Visualizing the Occupations with the Highest COVID-19 Risk
https://www.visualcapitalist.com/the-front-line-visualizing-the-occupations-with-the-highest-covid-19-risk/
世界各地で社会的距離を確保するために在宅勤務が推奨されていますが、アメリカ合衆国労働省労働統計局によればアメリカで在宅勤務が可能な社会人は全体のわずか29%のみだそうです。残りの71%は新型コロナウイルスの感染拡大による都市封鎖などの影響で仕事を失ったり、医療従事者のように人と人との接触を避けられない職場での仕事を余儀なくされたりしています。
そこで、Visual Capitalistはアメリカ合衆国労働省統計局の統計データと職業情報ネットワークのO*NET Resource Centerのデータを基に「COVID-19のリスクが高い職業」に関するインフォグラフィックを作成しました。
感染リスクは以下の3つの要素から算出されています。
1:他者との接触
仕事を実施するために他者と接触する必要があるか否か?
2:物理的近接性
労働者は他者と物理的に近接して作業を行う必要があるか?
3:病気と感染症への暴露
どのくらいの頻度で危険な状況への暴露を必要とするか?
以下のインフォグラフィックは横軸が「感染リスク」、縦軸が「職業の年収」を表しており、右に行けば行くほど「感染リスクの高い職業」、上に行けば行くほど「収入の多い職業」を表しています。
最も感染リスクの高い職業は以下の10種。リスクスコアは0~100までのスコアで表されており、高いほど感染リスクが高い職種となります。なお、Visual Capitalistが感染リスクをはじき出した職種は966種類で、平均リスクスコアは30.2です。
1:歯科衛生士(リスクスコア:99.7、平均年収:7万4820ドル(約800万円)、雇用数:21万5150人)
2:呼吸療法技師(リスクスコア:95.0、平均年収:6万280ドル(約650万円)、雇用数:12万9600人)
3:歯科助手(リスクスコア:92.5、平均年収:3万8660ドル(約420万円)、雇用数:34万1060人)
4:歯科医(リスクスコア:92.1、平均年収:15万1850ドル(約1600万円)、雇用数:11万3000人)
5:看護助手(リスクスコア:90.2、平均年収:2万8060ドル(約300万円)、雇用数:5万0100人)
6:一般開業医とその家族(リスクスコア:90.1、平均年収:20万1100ドル(約2200万円)、雇用数:11万4130人)
7:登録看護師(リスクスコア:86.1、平均年収:7万1730ドル(約770万円)、雇用数:295万1960人)
8:呼吸療法士(リスクスコア:84.2、平均年収:6万280ドル(約650万円)、雇用数:12万9600人)
9:放射線技師(リスクスコア:84.1、平均年収:5万9520ドル(約640万円)、雇用数:20万5590人)
10:認定看護師(リスクスコア:82.1、平均年収:4万6240ドル(約500万円)、雇用数:70万1690人)
医療従事者以外で感染リスクの高い職業として挙げられているのは、客室乗務員(リスクスコア:75.6)やバスの運転手(リスクスコア:67.3)、幼稚園教諭(リスクスコア:65.8)、医療機器作成者(リスクスコア:63.9)、消防士(リスクスコア:63.2)、料理店の従業員の監督役(リスクスコア:62.8)、美容師(リスクスコア:62.1)、保育士(リスクスコア:57.9)などです。
反対に感染リスクの低い職業としては、経済学者(リスクスコア:1.4)、コンピューターネットワークアーキテクト(リスクスコア:4.7)、コンピューターハードウェアエンジニア(リスクスコア:6.0)、ウェブ開発者(リスクスコア:12.5)、グラフィックデザイナー(リスクスコア:12.8)、経営アナリスト(リスクスコア:14.1)、市場調査アナリストおよびマーケティング専門家(リスクスコア:14.4)などが挙げられています。
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