生き物

新型コロナウイルスの影響で閉鎖された国立公園では野生動物の行動範囲が広がりつつある


新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的流行を受けて、各国で飲食店や公共施設の閉鎖や営業時間の短縮が実施されています。観光地として名高いアメリカのヨセミテ国立公園も2020年3月下旬から閉鎖し、観光客の入園を一切拒否。その結果、園内に生息する野生動物が本来姿を見せない場所にも出没するほど行動範囲を広げているとのことです。

Amid coronavirus shutdown, Yosemite wildlife roams free - Los Angeles Times
https://www.latimes.com/california/story/2020-04-13/yosemite-national-park-closed-wildlife-waterfalls-muir

本来、3月から4月はヨセミテ国立公園に最も多くの観光客が訪れる時期で、2019年4月にはおよそ30万人の観光客がヨセミテ国立公園を訪れたとのこと。しかし、2020年3月20日、新型コロナウイルスの流行拡大を防ぐため、ヨセミテ国立公園は閉鎖され、全長およそ12kmもある巨大渓谷には100人~200人の職員だけが残りました。

ヨセミテ国立公園には300頭~500頭のアメリカグマが生息しているとのこと。普段はなかなか人の見える場所に現れないアメリカグマですが、閉鎖してから目撃数が上昇しているとのこと。アメリカグマが森林の奥から現れて野原をのそのそと歩く様子が、ヨセミテ国立公園の公式Twitterアカウントで公開されています。


また、通常時はなかなか見ることができない「アメリカグマが木登りする場面」のムービーも公開されています。ヨセミテ国立公園の職員であるデーン・ピーターソン氏によれば、国立公園を訪れる人間の数が急激に減ってから、アメリカグマの目撃数がおよそ4倍になったとのこと。


ピーターソン氏は「野生の動物たちは、普段から国立公園にいるのですが、人間の目から逃れるように隠れて生きています」と述べており、閉鎖によって観光客が減り、国立公園内に生息する野生動物の行動範囲が広がっているのではないかと推測しています。


大自然に囲まれて都会から隔離されている国立公園はでヨセミテ国立公園でCOVID-19に感染するリスクは非常に低く、社会的距離を気にする必要もないため、公園の職員はマスクをつけずにハイキングを楽しんでいるとのこと。ただし、ヨセミテ国立公園の近くにある村の小さな食料品店では、一度に入店できる人数は10人までに規制されており、公園への入場にも手洗い・消毒が義務づけられているそうです。

ピーターソン氏は「もし新型コロナウイルスがこの谷にやってきたら、(私もすぐに)感染してしまうでしょう」と語り、感染リスクは常に人間によってもたらされると述べています。

なお、食料品店の店員であるケン・コンクロフト氏によれば、公園の近くにある店では、新型コロナウイルスの感染源とならないように、布バッグの使用を禁止しているとのこと。「私たちは、ヨセミテ国立公園で新型コロナウイルスがまん延する可能性を考慮しなければならず、それを防ぐためにできる限りのことをしています」とコンクロフト氏は述べました。

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in 生き物,   動画, Posted by log1i_yk

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