ファイナルファンタジーXIVでエターナルバンドしたカップルが現実でも結婚
MMORPGの「ファイナルファンタジーXIV」にはゲーム内でプレイヤー同士が結婚できる「エターナルバンド」というシステムが存在するのですが、ゲーム内で結婚した2人のプレイヤーが、現実の世界でも結婚したと海外ゲームメディアのEurogamer.netが報じています。
Meet the Final Fantasy 14 players who marry in the game - and in real life • Eurogamer.net
https://www.eurogamer.net/articles/2020-04-12-meet-the-final-fantasy-14-players-who-marry-in-the-game-and-in-real-life
ファイナルファンタジーXIVにはゲーム内のプレイヤー同士が結婚できる機能として「エターナルバンド」が存在します。エターナルバンドは、スペシャルクエストを進めると誓約の儀式「エターナルセレモニー」を挙げることができるようになります。エターナルセレモニーは、黒衣森 : 東部森林にある「十二神大聖堂」内の会場「久遠の聖堂」で開催され、セレモニー様式も「ファンタジー」「カジュアル」「フォーマル」の3つのスタイルから選択可能。セレモニーでは選択した様式ごとに異なる司祭や専用のカットシーンなどが登場することとなるほか、エターナルバンドを通して特別なアイテムや儀式用チョコボなどをゲットすることもできます。
ファイナルファンタジーXIV - エターナルバンド - YouTube
しかし、「アンドレア」という名前のプレイヤーは、エターナルバンドした相手と現実世界でも結婚しようとしています。エターナルバンドが実装されて複数年が経過しているため、ゲーム内で結婚しているプレイヤーはそれほど珍しくないそうですが、実際にゲーム内で結婚した2人が現実世界でも結ばれるということはまれです。
アンドレアさんは結婚相手とのなれそめについて、「彼は毎週のクエストクリアを手伝ってくれるようになり、私たちはお互いのパフォーマンスについて常に気を配りあい、お互いに支え合っていたことを覚えています」「そのうち私たちはゲーム内ですべての行動を共にするようになりました。そして、他の友人たちがゲームから離れてしまった後も、お互いの存在がゲームをプレイし続けるための言い訳となっていきました」とコメント。
そんな日々が6カ月ほど続いた後、アンドレアさんはE3 2017のためにロサンゼルスに行くつもりであることをゲーム内の彼氏に報告。そして、ゲーム内で仲良く遊んできたという彼と、ロサンゼルスで初めて会う約束を取り付け、ゲーム内で結婚することも決めたそうです。この時点ではまだ会ったことのない2人だったそうですが、アンドレアさんは「エターナルバンドのスペシャルクエストを通してまだ会ったこともない誰かを身近に感じるというのは奇妙かも知れませんが、Discordを通して毎月何時間も会話していると、カジュアルなデートでは得られない親密さを感じることができます」「コーヒーを飲んだり簡単なランチを食べるためにデートするということはできませんでしたが、ゲーム内でのあらゆるアクティビティを一緒に行っていたため、簡単なデートよりも一緒に長い時間を過ごすことができました」と語っています。
その後、2人はゲーム内でエターナルセレモニーを開催。当時を振り返りながら、アンドレアさんは「セレモニーは、私にとってゲームは誇りであり喜びであると友人に伝えるための方法であると感じました。とても感情的な気持ちにさせてくれました」と述べました。
また、ゲーム内で仲良くなった彼と現実世界で初めて会う際の心境を、「私たちが初めて会った際、既に何年も前から知っている誰かに会うかのような感覚でした。私たちはすぐにピンときました。E3 2017で実際に彼と会ったことは、私の人生そのものを変えました。そして私は『初めてゲーム内の友人と会う』というチャレンジに飛び込むという最初の恐怖を乗り越えることができてとても幸せだと感じます。初めは恥ずかしいことや愚かしいことと感じていましたが、今ではとてもクールなことのように思っています」と説明しています。
その後、最終的にアンドレアさんはゲーム内のパートナーと現実世界でも結婚することを決めます。アンドレアさんはミシシッピからカリフォルニアへと引っ越ししたそうで、「これは私の両親を驚かせました。しかし、両親も彼を愛してくれており、私たちをサポートしてくれています」と語りました。アンドレアさんは2021年にファイナルファンタジーXIVで出会った彼と結婚する予定で、ゲームの中のエターネルセレモニーの要素を実際の結婚式にも組み込むアイデアを練っているとのこと。具体的には、ゲーム内の友人を招待することや、ゲーム内で登場したケーキをウェディングケーキとすること、ゲームのサウンドトラックを式中に流すことなどです。
ファイナルファンタジーXIVと現実の両方で同じ相手と結婚した経験があるのはアンドレアさんだけではありません。Redditユーザーのlegenddairybardさんもゲーム内で結婚した相手と現実世界で結婚したそうで、「時間が経つにつれて打ち解けていき、最終的に彼に私の電話番号を教えました。彼はとても親切で、面白く、常に私をサポートしてくれました」とコメント。ゲーム内で結婚してから6カ月が経過したのち、legenddairybardさんはゲーム内の夫と会うために国境を越えたそう。legenddairybardさんは「初めて彼に会ったとき、すでに私は彼に対して恋心を抱いており、初めて抱き合った際にはさらにそれが大きくなったと感じました」と述べています。
その後、クリスマスを一緒に過ごし、バレンタインデーに再び現実世界で会い、その後、現実世界での結婚の話題が持ち上がったとのこと。なお、legenddairybardさんは彼と初めて抱き合った際について「彼が本当にひどく震えていたのを覚えています。私は彼が気を失うのかと思いました」とコメント。
legenddairybardさんは自身が結婚することとなったことを家族に伝えた際には祝福されたものの、ゲーム内で出会った人であることを伝えた際には「私が狂っているとでも言いたげな目で見てきた」と語りました。legenddairybardさんは「なぜそのように感じたのか理解できます」と述べていますが、時間と共に理解を得ることができ、最終的に2019年10月に結婚することとなったそうです。
また、別のsUnit_AlphaさんというRedditユーザーは、妻がファイナルファンタジーXIVに関心を示したため、「一緒にゲーム内で結婚生活を再現することにしました」と語っています。
ファイナルファンタジーXIVのプロデューサー兼ディレクターである吉田直樹さんは、Eurogamer.netのインタビューに対して「ウルティマオンラインをプレイしていた頃、ゲームで出会った2人の友人の結婚式に出席したことがあります」「日本だけでも、ファイナルファンタジーXIVで出会った80組以上のカップルが結婚し、多くの喜びの報告を受けました」と述べています。
また、吉田さんは「サーフィンやスノーボードなど、趣味を通して出会って結婚する人たちと、オンラインゲームで出会って結婚する人たちに違いはありません。オンラインゲームのユニークな点は、相手の本当の顔や外見を見ることができないため、不要な情報に左右されず、相手の内面や価値観をより直接的に理解できるという点です。どちらにせよ、我々が創り出した世界で出会った2人が結婚するという話を聞くことは、常に嬉しいことです」とも語りました。
アンドレアさんは未来の旦那さんとのなれそめを友人に話すことに初めは戸惑っており、ウソをついたこともあったそうです。しかし、「6カ月もの物理的に会わずにいるということは当初考えていたよりもたいしたことではないことに気づきました。ファイナルファンタジーXIVは私たちの日常の一部だったので、実際に会わない時間も毎晩何時間もお互いに話し合いました。そして、一緒に過ごしながら相手は誰が好きで、誰が嫌いで、どんな幸せな思い出を体験し、どんなトラウマを体験し、子ども時代はどう過ごし、どんなキャリアを歩んできたのかすべて学ぶことができました」と、出会いについても誇りに思うようになったと語っています。
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