全自動でドリフトできるデロリアンが1kmのコース走破に成功
スタンフォード大学が、2015年に開発した全自動でドリフト走行できるデロリアン「MARTY」を改良し、1kmにわたる障害物コースを自動走行させることに成功しました。実験結果は、自動運転車両の安定した制御への貢献が期待されています。
Autonomous DeLorean drives sideways to move forward | Stanford News
https://news.stanford.edu/2019/12/20/autonomous-delorean-drives-sideways-move-forward/
Toward Automated Vehicle Control Beyond the Stability Limits: Drifting Along a General Path | Journal of Dynamic Systems, Measurement, and Control | ASME Digital Collection
https://doi.org/10.1115/1.4045320
「MARTY」は、1981年製のデロリアン DMC-12をジョン・ゴー氏らが改造した車両。2015年に、人の手を介さない自動運転により、パイロンの周囲を定常円旋回することに成功しています。
全自動でドリフト走行できるデロリアン「MARTY」をスタンフォード大学が公開 - GIGAZINE
成功後、ゴー氏らはMARTYの基本的なドリフト技術をコースに応用できるよう準備を行い、その結果、MARTYは障害物を設置した1kmのコースをドリフトで走り抜けることに成功しました。
その様子は以下のムービーで確認できます。
Beyond the Limits: MARTYkhana - YouTube
走行の軌跡を示した図。単にくるくる回ればいいだけではないコースになっていることがわかります。
実際にコースを走行するMARTY
運転席と助手席には人が座っていますが、運転操作は一切行っていません。
ゴー氏らを率いるクリス・ゲルデス教授によると、この試みは、緊急時や滑りやすい路面でも問題が生じないよう、タイヤと道路との間の摩擦をすべて利用して危険から逃れるような自動運転車両の開発を目指して行われているものだとのこと。
多くのドライバーは車が不安定な状態になったときの制御が苦手なので、現代の自動車には運転を補助するための電子安定性制御システムが搭載されています。しかし、プロのドライバーは、この「車が不安定な状態」を利用して、機敏かつ正確に車を操っています。MARTYは、このプロのドライバーと同じような運転ができているというわけです。
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