「トイレでサボる時間」を25%も削減できる便器「StandardToilet」が登場
by rawf8
「トイレ休憩」の名の通り、トイレが従業員の避難所として機能するがために、職場でトイレの個室がなかなかあかない……という経験をしたことがある人も多いはず。トイレで割かれる多くの時間によって生産性が奪われてしまうということで、従業員がトイレで過ごす時間を25%削減できるようにした便器「StandardToilet」が開発されました。
StandardToilet.Net
https://www.standardtoilet.net/
Toilets that are tilted downwards by 13 degrees to stop workers spending too long on the loo | Daily Mail Online
https://www.dailymail.co.uk/sciencetech/article-7801245/Toilets-tilted-downwards-13-degrees-stop-workers-spending-long-loo.html
Flushing away time: tilted toilet aims to increase employee productivity | Money | The Guardian
https://www.theguardian.com/money/2019/dec/18/standardtoilet-tilted-employees-productivity
Googleが従業員を監視するツールを開発していたことが明らかになっており、企業の中には従業員の体にマイクロチップを埋め込むところもあり、テクノロジーの進化と共に年々雇用者による従業員の監視は厳しくなっています。このため、働く人々がほっと一息付けるのはトイレの個室の中だけ……となり、個室の使用時間が長くなり、本当に使いたい人がなかなかトイレを使えないという状況も生まれています。
そこで、登場したのが、便器に角度を付けることで長時間トイレに座っていられなくしたStandardToiletです。
開発を行ったStandardToilet.Netのマーケット分析によると、仕事場において人は必要よりも25%長い時間を過ごしているとのこと。イギリスにおいて従業員一人あたりがトイレに費やす時間は10分であり、これは従業員の総計にすると550万時間にあたります。標準的な時給が12ポンド(約1720円)だとして、年間で2兆3000億円が失われるという計算になる、とStandardToilet.Netは述べています。またProtecting.co.ukによる2019年の調査でも、仕事中、最大28分もトイレで過ごす人が存在すると報告されました。
StandardToiletは、便器が角度にして13度、前下がりのデザインになっています。開発者のMahabir Gill氏によると、前下がりにすることで座っている人がスクワットの体勢を強いられ、足への負担が増加するとのこと。これにより長時間座ることが難しくなるわけですが、「不便ではあるが有害ではない」程度のデザインとなっています。
トイレの角度は、5~8度でトイレ時間を10~25%削減でき、8~13度で25%以上削減できるそうです。13度の角度で、年間48億ポンド(約6880億円)のコストを削減できる計算。
また従来のトイレは「痔になったり骨盤の筋肉が弱くなったりする」というデメリットがあったため、角度をつけることによって医学的なメリットも得られます。Gill氏は、StandardToiletによって太ももやふくらはぎの強化を図り、筋骨格系疾患のリスクを減らせると説明しています。
一方で、「トイレで過ごす時間は悪」とみなすことに疑問の声を投げかける人も。WIRED UKのJack Needham氏は「トイレが避難所として重要になる場合、従業員自身に問題があるのではなく、重労働だったり、マネージメントに問題があったりと、不適切な職場である可能性があると考えられます」と指摘しました。
なお、StandardToiletの価格は1台あたり150~500ポンド(2万1500~7万1700円)となっています。
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