ポケットモンスター ソード・シールドには「登場しないポケモン」をゲームデータのハッキングで復元する試み
2019年11月15日(金)に発売された「ポケットモンスター ソード・シールド」では、過去シリーズに登場したすべてのポケモンがゲーム中に登場するわけではありません。すべてのポケモンが登場するわけではないという点については多くのポケモンファンから批判が集まっていたのですが、新たにハッカーがゲームデータを改造して「登場しないはずのポケモン」をソード・シールドに登場させるという試みが行われています。
Pokemon Sword and Shield hackers start restoring cut Pokedex monsters - Polygon
https://www.polygon.com/2019/11/18/20970489/pokemon-sword-shield-hacking-modding-national-dex-cut-monsters-nintendo-switch
ハッカーのMattさんによると、ポケットモンスター ソード・シールドのゲームデータを解析したところ、ゲームには登場しないとされているポケモンは、記事作成時点では登場しないものの、データとしてはゲームの中に含まれているそうです。そのため、データに含まれているポケモンの一部は今後のアップデートなどで新たに登場する可能性があるとのこと。
例えば、ポケットモンスター サン・ムーンで登場した伝説のポケモンである「ルナアーラ」は、ソード・シールドでは登場しないポケモンではあるものの、データとしてはゲームの中に含まれている模様。
"we don't know if they're usable it's probably just leftover data" lol pic.twitter.com/Ia0gRKLndh
— Matt (@mattyoukhana_) 2019年11月16日
別のハッカーであるMichaelさんは、特殊なツールを使って「ポケットモンスター Let’s Go! ピカチュウ・イーブイ」からポケモンの3DCGモデルをインポートするという荒技で、ソード・シールドには登場しないポケモンを再現しています。
Michaelさんによると、セーブファイルエディターを用いてワンパチをソード・シールドには登場しないはずのオムスター(レベル50)に改造した模様。Michaelさんは「改造自体はそれほど難しくありませんでした。もちろん、より多くの作業が必要ですが、実際にオムスターが動いているのを見るのはかなりクールです」とツイートしています。
Well, that wasn't so hard.
— Michael (@SciresM) 2019年11月18日
Needs a ton more work, of course, but it's pretty cool to see it functioning. pic.twitter.com/KYm1nkMsXO
実際にオムスターが動いている様子は以下の通り。
Yay, animations! pic.twitter.com/5D3Cv0r56Q
— Michael (@SciresM) 2019年11月18日
さらにはオムスターのバトル時の動作を録画したムービーも公開しています。Michaelさんは「バトルに入る際のアニメーションは壊れているものの、それ以外は上手く動作します。明らかにステータスは壊れており(個人的な試みの中でもステータスを修正することはできていません)、このステータスは改造に使用したワンパチのものでした」ともツイート。
Animation on entering battle is pretty broken, but it works okay other than that.
— Michael (@SciresM) 2019年11月18日
Obviously stats are broken (didn't fix the personal entry yet), and this was originally an edited yamper that I didn't bother giving legitimate moves. pic.twitter.com/m1C8CzDQCt
ワンパチの姿をオムスターに改造したものであるため、オムスターの使えるわざ(赤枠部分)はワンパチの「Tail Whip(しっぽをふる)」「Tackle(たいあたり)」「Nuzzle(ほっぺすりすり)」となっていることが確認できます。
なお、Michaelさんによると実際の作業時間は約1時間で、作業に使用されたツール「PKHeX」の開発・保守に費やされた時間はカウントされていないとのこと。
約1時間の作業でポケモン1体の3DCGモデルをソード・シールドにインポートすることができたということで、「ゲームフリークにはこの作業も難しすぎたのか……」という指摘もあります。
Too hard for Game Freak though apparently...
— WannabePoketuberAustinJohn (@PoketuberAustin) 2019年11月18日
THANK YOU for proving this can be done in a short time!
ただし、Michaelさんの行った3DCGモデルの改造はポケモンのアニメーションデータやステータス情報をインポートすることはできていないため、より多くの作業時間が必要になる可能性があります。
Michaelさんは「古いポケモンをソード・シールドにインポートすることは難しいものの、実行可能ではあります」と記しており、他のハッカーなどがアニメーションやステータスなどを正確にインポートするための方法を編み出してくれることを期待しているとしています。また、ソード・シールドには実装されていないポケモンのステータスを正しくインポートするためのツールを開発する予定だそうです。
なお、ソード・シールドのワイルドエリアの木があまりにも雑だということで、ワイルドエリアの木を高解像度に改造するというプロジェクトも存在します。
ワイルドエリア怖すぎて泣いた pic.twitter.com/wrb6EeS2E7
— キトロン (@ttssee_05) 2019年11月15日
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