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トラック運転手が「インターネットで仕事を請け負うビジネスを規制する新法」に対する訴訟を起こす

By dolgachov

2019年9月10日、アメリカ・カリフォルニア州議会でUberやLyftなどの配車サービスと契約して業務を行っている人が「請負業者」ではなく「従業員」として扱われる新しい法案が可決されました。この法案を受けて、カリフォルニア州トラック協会が「個人事業主のトラック運転手の仕事まで奪われてしまう」としてカリフォルニア州を訴えました。

Truckers sue California, say new gig economy law would kill 70,000 jobs | Fox Business
https://www.foxbusiness.com/money/truckers-sue-california-say-new-gig-economy-law-would-kill-70000-jobs

問題の法案「カリフォルニア州議会法案第5号(通称AB5)」は、インターネットを通じて単発の仕事を受注するという「ギグ・エコノミー」を規制する法案です。ギグ・エコノミーに該当するのは、UberやLyftなどの「プラットフォームを仲介にして業務の発注・受注が成立する」という仕事。従来はこの種の業務の受注者を「請負業者」として扱っていましたが、AB5施行後のカリフォルニアでは、プラットフォーム企業が仕事の実績に応じて受注者を管理・統制したり、業務内容が企業の通常業務の範疇に入ったりする場合は、「従業員」として定義されます。

AB5については以下の記事で詳細を報じています。

Uberなどの「インターネットで仕事を請け負うビジネス」を規制する法案が可決 - GIGAZINE

by freeimage4life

ギグ・エコノミー労働者は、従業員に対して法律で補償されている最低賃金、有給休暇、社会保障、医療保険、その他福利厚生などを享受することができませんでした。AB5施行後は、ギグ・エコノミー労働者も従業員として定義されるため、これらの恩恵を受けられます。一方で、Uberなどのギグ・エコノミー企業はこの法案によってコストがかさむため、猛反発しています。

AB5に対して不利益を被ったと主張し、訴訟まで実行したのがカリフォルニア州トラック協会。カリフォルニア州トラック協会は、「個人事業主として活動していたトラック運転手が、従業員と扱われてしまうようになり不利益を被る」と主張し、「AB5は連邦法に違反している」とカリフォルニア州を訴えました。その主張によると、7万人以上のトラック運転手が契約している会社の命令を遵守するためにトラックの排気量を引き下げる改造を施さなければならない上に、「自分でスケジュールを決めて働く」という自由な働き方を諦めなければいけないとのこと。

By duallogic

カリフォルニア州トラック協会のショーン・ヤドン会長は、「個人で働いているトラック運転手は、以前は会社に属していた人が大半です。彼らは自らの意思で会社から独立して個人で働くという道を選びました。今回の新法は、彼らから選択の自由を奪っています」とコメントしました。

カリフォルニア大学のバークリー労働センターの研究によると、AB5はトラック運転手、タクシードライバー、用務員、メイドなどの個人事業主の約3分の2に適用されるとのことです。

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in ネットサービス, Posted by darkhorse_log

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