QUEEN公認、QUEENの楽曲のみで構成された芸術花火シリーズ「QUEEN SUPER FIREWORKS ~夜空のラプソディ~」を見てきました
「京都芸術花火」を始め札幌、名古屋、宮崎など日本各地で開催されている芸術花火シリーズでは、日本有数の花火師たちが制作する美しい花火玉と音楽をシンクロさせた花火のエンターテインメントが見られます。2018年および2019年には、サザンオールスターズの楽曲のみで構成された茅ヶ崎サザン芸術花火が行われるなど特定のアーティストファン向けの花火大会という新しい試みも始まりました。2019年11月3日にQUEENの楽曲に限定した花火大会が大阪で行われるということで、どのような花火大会なのか実際に行って見てみました。
大阪湾水上芸術花火 特別企画 2025年日本国際博覧会開催決定記念/OSAKA光のルネサンス前夜祭 「QUEEN SUPER FIREWORKS ~夜空のラプソディ~」
https://www.osakahanabi.com/
フレディ・マーキュリーの晩年の名曲「The Show Must Go On」の調べに合わせて放たれる花火の様子は、以下のムービーで見ることができます。海沿いに会場が設置されていることを生かした「真横に放たれる花火」を使った演出も組み込まれています。
芸術花火シリーズ「QUEEN SUPER FIREWORKS ~夜空のラプソディ~」より「The Show Must Go On」 - YouTube
会場は、大阪府大阪市此花区にある舞洲スポーツアイランド太陽の広場です。
この花火大会を含め芸術花火シリーズには、多くの花火会社が参加しています。
これらの花火会社の花火を打ち上げる命令を出す点火器は、Pyrodigital社のコントローラーが使われており……
「どのようなタイミングでどの花火を打ち上げるか」などのプログラムは、株式会社パイロスミスの花火コレオグラファー・大矢亮氏が作成しています。
2019年11月3日、花火大会当日16時頃の会場の様子。会場入り口から続々と観客が入場しています。
Queenの楽曲限定の花火大会ということで、大会限定のTシャツやバッグの他にも、Queenのギタリストブライアン・メイのオールハンドメイドのエレクトリック・ギター「レッド・スペシャル」をモチーフにしたスペシャルモデルのギター(税抜14万5000円)も売られていました。
14時の開場から花火打ち上げまでの間のイベントもQUEEN一色。メインステージの大型モニタでは、ミュージックビデオやライブ映像・映画ボヘミアン・ラプソディーの特典映像などが流れます。
QUEENの音楽が流れると一緒に歌ったり、「エーオ」のコールに対して会場内から「エーオ」と返す声が聞こえてきたりするなど、特定のアーティストのファンが集まっている会場ならではの盛り上がりとなっていました。
ステージの前では、フレディ・マーキュリーのそっくりさんやお面をかぶった人が映像に合わせてパフォーマンスを行っています。
17時頃、会場内に多くの人が集まってきました。
18時、打ち上げ開始です。第1部「芸術花火講座」として、花火評論家のデビッド烏丸氏による花火の種類や花火を見るポイントなどの解説からスタート。このコーナーの最後の場面、野村花火工業の花火から締めとして打ち上げられたワイドな展開の花火では観客から拍手と歓声が上がりました。
第2部「Greate Sky Art 芸術花火」が始まりました。1曲目は「Breakthru」です。アップテンポなリズムに合わせて花火が次々と打ち上がります。途中、下側のトラの尾のような「トラ」と呼ばれる花火がほぼ真横に放たれるなど、海沿いの会場ならではの常識破りの演出となっています。
2曲目は「I Want It All」。アップビートに切り替わる間奏中には、海上の台船から小さな花火が無数に飛び出し海に落ちて行くという演出がありました。
4曲目「Radio GaGa(Live)」では、「Radio GaGa」と叫ぶシーンにある手拍子をシュワシュワと音が出る花火とシンクロさせています。
5曲目は「Hammer To Fall(Live)」でした。台船から低く斜めに大きめの花火玉が打ち上げられるワイドな花火も見られました。
6曲目はQueenの代表曲の1つ、「We Are The Champions」。「ウィー・アー・ザ・チャンピオン」から始まる歌のサビの部分では、派手な演出ではなくしっとりと美しい花火をみせるという演出がなされていました。いつもは花火の音でかき消される部分のメロディもじっくり聴きつつ花火が見られました。
9曲目の「I was Born To Love You」では、フレディの熱唱に合わせて、大きな美しい花火が上がり期待に応えます。
10曲目「Bohemian Rhapsody」序盤の「ママー」の場面でまさかの音響トラブルが発生。花火は打ち上がるものの音楽が止まってしまいます。会場からは「頑張れー」と声援が聞こえてきました。いったん花火を中断して音響の回復を待ちます。
5分ほど中断ののち、止まった場面から花火が再開されました。
このまま終わりまで、花火と曲のシンクロも問題無く花火は続きます。
11曲目「The Show Must Go On」は、最後の1つ前ということで、花火の量も多く要所要所で縦横無尽にワイドな花火が打ち上がります。
「The Show Must Go On」の花火の様子は、以下のムービーで見ることができます。
芸術花火シリーズ「QUEEN SUPER FIREWORKS ~夜空のラプソディ~」より「The Show Must Go On」 - YouTube
12曲目、フィナーレは「Too Much Love Will Kill You」でした。派手に終わるのではなく、1発1発芸術的な尺玉をみせる形での演出となっています。
19発ほど尺玉が上がり、曲も終わりとなりました。会場からは拍手が湧きます。
以上で「QUEEN SUPER FIREWORKS ~夜空のラプソディ~」は終了です。観客席に残ってスマートフォンで録画した花火を確かめていたり、ゆっくりと帰る支度をしている人たちにこの花火についての感想を聞いてみました。
「こんなに花火と音楽がシンクロするなんて思っていなかったので感動しました」という感想や「花火がとても美しく、QUEENの曲と合わさって期待以上に楽しめました」という感想が多く、花火とQUEENの融合は好評だった模様。
「すてきな花火を打ち上げる花火師さんにお礼を伝えてください」と言づてを頼まれたりと、この花火を演出している花火師への感想・感謝なども聞かれました。
特定のアーティストファン向けの花火ということで会場に来ている観客の一体感というのを感じることができる花火大会でした。QUEENのイベントだから来てみたという人が、実際に音楽とシンクロする花火を見ることで「花火の新しい楽しみ方を知った」というような感想もあり、何か特定の分野のファンなどを集めて花火と融合させることで「これまで花火に興味がなかった人にも、花火の面白さを伝えるきっかけになるのでは?」という花火イベントの新しい形にもなりそうです。
芸術花火シリーズ「QUEEN SUPER FIREWORKS ~夜空のラプソディ~」は2019年11月16日に「東京湾・浦安芸術花火」として、および2019年11月30日に「みやざきシーサイド芸術花火2019」として開催が予定されています。なお、セットリストは違うものとなり、花火の演出も浦安・宮崎のそれぞれの会場の構成に合わせて変わりますので、この大阪の花火を見たという人も改めて別の感動を味わうこともできます。各ホームページで、イベントごとの詳細をチェックすることが可能です。
東京湾・浦安芸術花火
https://www.urayasu-hanabi.com/
みやざきシーサイド芸術花火2019
https://miyazaki-hanabi.com/
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