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総額65億円超の払い戻しが「無制限と書かれているが実は制限のある携帯料金プラン」に科せられる

By geralt

アメリカの大手通信キャリアであるAT&Tが、「データ制限なし」をうたう回線プランでデータ通信量に応じた速度制限をかけていた問題で、最終的にAT&Tは顧客に対して総額6000万ドル(約65億円)の払い戻しを行うこととなりました。

AT&T fined $60 million for throttling ‘unlimited’ data plans - The Verge
https://www.theverge.com/2019/11/5/20949850/att-fine-unlimited-data-plan-fake-throttling

AT&T users whose “unlimited data” was throttled get $60 million in refunds | Ars Technica
https://arstechnica.com/tech-policy/2019/11/att-users-whose-unlimited-data-was-throttled-get-60-million-in-refunds/

総額約65億円の払い戻しの対象者となるのは、AT&Tが無制限プランに対する通信速度制限を始めた2011年7月以前にAT&Tと契約していたユーザーに限られます。AT&Tが2011年7月から行っていたという、無制限プランに対する通信速度制限の詳細は、以下の記事で読むことができます。

パケット定額を撤廃したAT&T、今度は一部ユーザーの通信速度を制限へ - GIGAZINE

by Yutaka Tsutano

2014年に連邦取引委員会(FTC)は「転送量無制限のデータプランと広告しているにも関わらず、転送量に応じた速度規制が存在する」として、AT&Tに対して訴訟を起こしました。この訴訟が最終的にAT&Tが65億円の罰金を支払うことで和解に達し、訴訟は取り下げられることとなります。

AT&Tが行っていた速度制限とは、プランに応じた転送量(3GBないしは5GB)を使い切った月の残りの期間はダウンロード速度を128kb/sに制限するというもの。AT&Tは速度制限を行っているにも関わらず、「無制限プラン」として広告していました。FTCが指摘したのは、速度制限が存在しているにも関わらず「無制限」と広告することは「虚偽の広告に当たる」という点です。


今回のFTCとの和解によって、AT&Tは「速度などに関する制限を明示することなく、モバイルデータの速度または量に関する表現を行う」ことを禁じられることとなり、今後は制限に関する注意事項を目立つように表記する必要があります。「目立つように表記する」というのは、契約書やパンフレットでは活字の中に埋もれたりしないように制限を記載する必要があるということや、オンラインサイトにおいてはハイパーリンクで転送される、元のページとは別のページに詳細を表記してはいけないということを意味するそうです。

また、今回の和解以前にも、連邦通信委員会(FCC)によって、AT&Tは「データプランに関する不正広告」を理由に1億ドル(約110億円)の罰金が科せられていました。

FTC消費者保護局のアンドリュー・スミス局長は今回の合意について、「当たり前であるように思えますが、インターネットプロバイダーは通信速度や転送量の制限に関して、人々に伝えなければなりません」と述べています。

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in モバイル, Posted by darkhorse_log

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