カラオケを歌いすぎた男性の肺に穴が空いてしまう事故が発生
by Somegal
カラオケで思う存分歌うのことは楽しい上にストレス解消にもなり、多くの人が楽しむ娯楽です。しかし、中国に住む男性はカラオケで長時間歌い続けた結果、肺に穴が空いてしまったと報じられています。
Chinese karaoke lover suffers collapsed lung after straining to reach the high notes | South China Morning Post
https://www.scmp.com/news/china/society/article/3022025/chinese-karaoke-lover-suffers-collapsed-lung-after-straining
Too Much Karaoke Sent a Man to the Hospital with a Collapsed Lung | Live Science
https://www.livescience.com/collapsed-lung-karaoke.html
中国・江西省に住むWangさんというカラオケが大好きな65歳の男性は、高音のある歌を10曲連続で歌った後で胸に痛みを感じました。普段から高音のある歌を多く歌ってきたWangさんでしたが、今回左胸に感じた痛みはこれまでにないものだったと話しています。
その日は家に戻ったWangさんでしたが、痛みは次第に悪化していったそうです。結局翌日になって病院に搬送されたWangさんは、医師から「肺が破裂していた」と告げられました。搬送先の病院で救急救命医を務めているPeng Bin-fei氏によると、「患者は高音を出そうとして肺に高い圧力をかけた結果、肺が破裂してしまった」そうで、2時間以上連続で歌うことはあまりオススメできないとのこと。
肺が破裂すると中の空気が胸腔内へ漏れ出して肺を圧迫し、胸の痛みや呼吸困難を引き起こす気胸という状態になります。気胸自体はそれほど珍しい病気ではありませんが、大量の空気が胸腔内に漏れ出して肺や心臓を圧迫すると、時にはショック死してしまう可能性もあるそうです。
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気胸の原因となる空気の漏れは、肺胞の一部が嚢胞化した箇所が破裂するなどして発生する場合と、交通事故などの外傷によって発生する場合があります。
Wangさんのほかにも声の出し過ぎで気胸になる人はまれにいて、アメリカでも人気バンドのOne Directionのコンサートに参加した16歳の少女が、興奮のあまり叫びすぎて気胸を起こした事例が報告されています。他にもオペラ歌手や大声で叫ぶ訓練を行った軍人などが、気胸になった事例があるそうです。
しかし、Wangさんのケースではカラオケの歌いすぎが原因で気胸になってしまったものの、歌いすぎることが必ずしも危険というわけではありません。実際のところカラオケによって気胸になることは非常にまれであり、「Wangさんのケースはもともと肺に損傷があったため、カラオケによって以前は問題なかった損傷から空気が流出したのでしょう」と、ジョンズ・ホプキンズ大学で医学部准教授を務めるEnid Neptune氏は考えています。「正常な肺が交通事故などの外傷なしで気胸になることはありません」と、Neptune氏は述べました。
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