メモ

6年かけて「家の前庭で野菜を育てる権利」を勝ち取った女性


「家の庭で野菜を育てる」というごくごく一般的なことが、アメリカのフロリダ州では1日50ドル(約5400円)の罰金が科される条例違反となり、17年間育て続けた家庭菜園を撤去するよう求められた女性が一念発起。6年にわたる裁判のすえ、「家庭菜園を保護する法案」が議会を通過することになりました。

Bill Protecting the Right to Grow Your Own Food Signed by Governor - Institute for Justice
https://ij.org/press-release/bill-protecting-the-right-to-grow-your-own-food-signed-by-governor/

Florida Couple Wins The Right To Plant Veggies In Front Yard : NPR
https://www.npr.org/2019/07/02/738131948/after-6-year-battle-florida-couple-wins-the-right-to-plant-veggies-in-front-yard

アメリカ・フロリダ州のマイアミ・ショアーズに家を構えるエルミン・リケッツさんは、17年もの間、「日当たりがいいから」という理由で家の前に野菜を植えていました。リケッツさんの家は南向きなので、裏庭に植えてしまうと野菜に日が当たらなくなってしまいます。家の前で家庭菜園を行うことについて隣人から特にクレームなどを受け取っていなかったリケッツさんですが、ある日突然、役人がやってきて「家の前の家庭菜園は許可されていない」と告げたとのこと。

by Markus Spiske

実は2012年の4月、フロリダ州では新たにゾーニングについての条例が定められ、マイアミ・ショアーズの住民は家の前の庭で野菜を育てることが禁じられてしまったのです。リケッツさんはこれに抗議すべく街の執行委員会に向かったそうですが、執行委員長のロバート・ヴィッカー氏はリケッツさんの抗議に耳を傾けませんでした。

条例に違反すると1日50ドル(約5400円)の罰金を科されることもあり、リケッツさんは「野菜を引き抜かなければならない」という役人の指示に従いました。しかし、話はそこで終わりません。

by Markus Spiske

その後、リケッツさんは財産権に関して裁判を繰り広げてきた権利擁護団体と連絡を取り、マイアミ・ショアーズを相手に訴訟を起こしました。権利擁護団体の弁護士であるアリ・バージャイル氏は「家庭の前で行うガーデニングを禁じることは、国家が保証する所有地を使用する権利に反する」と主張。バージャイル氏は、権利は正当な理由により制限されることがあるが、リケッツさんのケースはそれに当たらないと述べました。この裁判はメディアの注目を多いに引くこととなります

写真の左側の女性がリケッツさん、右側の男性が夫のトム・キャロルさんです。


そして裁判が始まってから6年経過した2019年、リケッツさんはようやく勝利を手にすることとなりました。高等裁判所はリケッツさんの訴えを却下しましたが、一方でフロリダの議会が家庭菜園を保護する法案を通過させたのです。

「6年近く経過して、私は再び合法的に家の前の庭で野菜を育てることができるようになりました」とリケッツさん。「議会や知事が自分の土地で食物を育てる自由を守ろうとすることのために立ちあがってくれたことをうれしく思います」「ガーデニングは素晴らしいものです。私は勝利を感じています。言葉がありません」とリケッツさんはMiami Heraldに対して語りました。

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in Posted by darkhorse_log

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