映画

キューブリック・スコセッシ・ルーカスら巨匠も称賛した一大叙事詩「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウェスト」オリジナル版の日本初公開が決定


荒野の用心棒」「夕陽のガンマン」をはじめとした作品で世界中にマカロニ・ウェスタンブームを巻き起こしたセルジオ・レオーネ監督の生誕90年・没後30年を記念し、公開50周年の映画「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウェスト」(初公開時邦題「ウエスタン」)が日本で初めて2時間45分のオリジナル版で公開されることになりました。

「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウェスト」公式サイト
http://onceinthewest2019.com/(6月25日公開予定)

『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウェスト』公式(@onceinthewest)さん | Twitter
https://twitter.com/onceinthewest

セルジオ・レオーネ監督は1929年生まれ。1964年に、黒澤明監督の映画「用心棒」を西部劇風に翻案した「荒野の用心棒」を監督すると、世界的に大ヒット。


以後、「夕陽のガンマン」(1965年)、「続・夕陽のガンマン」(1966年)と連続でヒットを飛ばしました。


この「ドル箱三部作」のあと、アメリカに招かれたレオーネ監督が撮ったのが、ルキノ・ヴィスコンティ監督の「山猫」を下敷きに、移り変わる時代と共に滅びゆくガンマンたちの落日を描いた「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウェスト」(「ウエスタン」・1968年公開)です。

オリジナル版は2時間45分という長さでしたが、アメリカ公開時は短縮版で公開され、しかも「荒野の決闘」のワイアット・アープ役などを務めたヘンリー・フォンダが初めて悪役を担当したことに対する観客の抵抗感があったということで期待されたほどにはヒットしませんでした。ただし、フランスでは2年にわたるロングランヒットとなり、2019年現在も歴代興行収入トップ10に残り続けているとのこと。日本ではアメリカ公開版よりさらに短い2時間21分のバージョンで1969年に公開され、アメリカと同様にあまり評価されなかったそうです。

©1968 BY PARAMOUNT PICTURES CORPORATION. ALL RIGHTS RESERVED.

しかし、1970年代以降、スタンリー・キューブリック、マーティン・スコセッシ、ジョージ・ルーカス、ジョン・カーペンター、ヴィム・ヴェンダース、ジョン・ブアマンといった映画監督や評論家からの再評価を得るようになりました。

本作のあと、レオーネ監督は「夕陽のギャングたち」(1971年)、「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」(1984年)を制作。これら3作品は「ワンス・アポン・ア・タイム3部作」とも呼ばれます。「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」もオリジナル版が3時間25分という長さだったため、アメリカなどでは製作会社により2時間19分の再編集版が作られて公開され、酷評されました。しかし、ヨーロッパや日本ではオリジナル版が公開され好評を博し、のちにレオーネ監督は3時間49分の「完全版」を作って再公開し、アメリカでも高い評価を受けました。なお、さらに22分のシーンを追加した4時間11分の「エクステンデッド版」も存在します。


2019年8月30日(金)公開予定の、クエンティン・タランティーノ監督の最新作「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」は、この3部作からタイトルを引用しています。

タランティーノ監督が60年代ハリウッド黄金期に起きた悲劇を描く最新作「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」予告編 - GIGAZINE


今回公開される「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウェスト」は、当時の日本では公開されなかった2時間45分のオリジナル版。ぜひこの機会に西部劇の傑作を映画館で堪能してください。2019年9月27日(金)から丸の内ピカデリー、新宿ピカデリーほかで全国順次公開です。

・「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウェスト」作品情報
主演:クラウディア・カルディナーレ、ヘンリー・フォンダ、ジェイソン・ロバーズ、チャールズ・ブロンソン
監督・原案・脚本:セルジオ・レオーネ
原案:ダリオ・アルジェント、ベルナルド・ベルトルッチ
脚本:セルジオ・ドナーティ
撮影監督:トニーノ・デッリ・コッリ
美術・衣装:カルロ・シーミ
音楽作曲・指揮:エンニオ・モリコーネ
1968年/伊・米合作/カラー/スコープサイズ/5.1ch/DCP/上映時間:2時間45分/初公開時邦題:『ウエスタン』/伊語原題:C'ERA UNA VOLTA IL WEST (かつて、西部があった)/ラフラン=サンマルコ制作/パラマウント・ピクチャーズ提供
配給:アーク・フィルムズ、boid、インターフィルム
後援:イタリア文化会館

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in 映画, Posted by logc_nt

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