刑事訴訟の経験のあるインド下院当選者は全体の40%以上、殺人・性的暴行・強盗などに問われた議員も
By Naveed Ahmed
2019年4月11日から5月19日にかけて行われた2019年インド総選挙の投票結果が開票され、ナレンドラ・モディ首相が率いるインド人民党が圧勝したと報じられています。一方、インドの選挙に関する市民団体「民主改革協会(ADR)」は刑事訴訟の経験のある下院当選者は40%以上にのぼり、中には殺人や性的暴行、強盗などの重大犯罪で起訴されたケースもあると発表しています。
Lok Sabha Elections 2019 Analysis of Criminal Background, Financial, Education, Gender and other details of Winners | Association for Democratic Reforms
https://adrindia.org/content/lok-sabha-elections-2019-analysis-criminal-background-financial-education-gender-and-other
40% of India's MPs face criminal charges, including rape and murder: Study, South Asia News & Top Stories - The Straits Times
https://www.straitstimes.com/asia/south-asia/40-per-cent-of-indias-mps-face-criminal-charges-including-rape-and-murder-study
2019年5月25日、ADRは「2019年インド総選挙当選議員の犯罪歴・資産・学歴・性別・その他の分析」として、今回の当選議員545名のうち539名までを分析した約400ページの報告書を発表しました。報告書によると、539名のうち233名、つまり全体の43%が刑事訴訟を受けたことがあるそうです。
National Election Watch and ADR have analysed the self-sworn affidavits of 539 out of 542 Winners in the Lok Sabha 2019 Elections.
— ADR India (@adrspeaks) May 25, 2019
Full report- https://t.co/CAw0K8o3Qy pic.twitter.com/EB4L1l03I5
ADRによると、2004年に調査を開始して以来、刑事訴訟を抱えている議員は増加し続けています。今回の選挙で当選した下院議員が問われている「重大犯罪」を総計すると、殺人は11件、過失致死は30件、性的暴行は3件となり、10年前に比較して2倍以上に増加しているとのことです。
一方で、刑事訴訟の経歴を持つ前下院議員は185名いましたが、そのうち有罪判決を受けた者はおらず、インドでは「政治的な報復」のためにこのような告発があるそうです。
by Al Jazeera English
今回の選挙では、圧勝したナレンドラ・モディ首相のインド人民党に所属するSadhvi Pragya Thakur氏は、2008年に発生したモスクへのテロの首謀者として逮捕された経歴を持っています。
また、最大野党である国民会議派に所属するDean Kuriakose氏は、過失致死・強盗などの37件の重大犯罪を含む204件の刑事訴訟の経歴がありますが、今回の選挙で当選しています。
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