インドで喫煙するアジアゾウが発見される
インド南部の森林で「喫煙」しているアジアゾウが発見され、その様子がカメラに収められています。これまでアジアゾウがこのような行動をした例は報告されたことがなく、研究者を驚かせているとのことです。
Why This Elephant in India Is Blowing Smoke | Smart News | Smithsonian
https://www.smithsonianmag.com/smart-news/why-elephant-india-blowing-smoke-180968592/
Elephant 'smoking' footage baffles experts | Science | The Guardian
https://www.theguardian.com/science/2018/mar/27/elephant-smoking-footage-baffles-experts-india
喫煙しているアジアゾウは、野生生物保護学会(WCS)のインド・プログラムの科学者ヴィナイ・クマル氏らの研究チームがインドのカルナータカ州にあるナガラホール国立公園を訪れた際に発見されました。実際にアジアゾウが喫煙している様子は、以下のムービーで確認することができます。
Elephant seen 'smoking' in southern India - YouTube
クマル氏らが見つけたアジアゾウは、鼻で地面を漁っています。
何やら白い粉のようなモノを鼻でつかみ……
口に含みます。
次の瞬間、口から白い煙を吐き出しました。
ムービー中で、このゾウは3回同じ行動をしており、偶然喫煙のように見えた行動をしたわけではなく、意図的に行っていると考えられます。WCSの生物学者であるヴァールン・ゴスワミ氏によると、このゾウが何を意図してこの行動をしているかは不明としながらも、口に含んでいた白い粉のようなモノは木炭であるとのことです。そして、ゴスワミ氏は「木炭には毒素を結合させる特性があり、下剤としての効果があります。ゾウたちは、薬効のような作用を期待して炭を食べているのかもしれない」と話しています。
アジアゾウが煙を吐いた例は、これまで確認されたことはありませんが、天然の物質を使った薬物摂取は動物の間では一般的なことのようです。例えば、ザンジバルアカコロブスは食べ物の中に含まれる毒素に対抗するために木炭を食べることがわかっています。
木炭以外の例では、ベニコンゴウインコは消化を助けるために粘土を食べることがわかっており、他にも数多くの動物が天然の物質を薬物として摂取していることが知られています。
なお、今回ムービー中でアジアゾウが口に含んでいた木炭は、インドの森林局が大規模な森林火災を防ぐために、森林の一部を人工的に焼いた箇所にあったものを食べていたとのことです。しかし、木炭は自然界において珍しい物ではなく、森林火災や落雷のあった場所で簡単に入手できます。このため、ナガラホール国立公園にいたアジアゾウだけが行っている特殊な行動ではないと考えられています。
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