人間が犬を飼うことは遺伝子に刻まれている
by simbiothy
犬は3万3000年前から人間のパートナーだったという研究もあることから、「犬は人間の最古で最高の友人である」といわれることもあります。そんな人間と犬の関係ですが、家畜化された犬だけではなく、人間にも「犬を飼う遺伝子」が存在することが判明しました。
Evidence of large genetic influences on dog ownership in the Swedish Twin Registry has implications for understanding domestication and health associations | Scientific Reports
https://www.nature.com/articles/s41598-019-44083-9
Owning a dog is influenced by our genetic make-up -- ScienceDaily
https://www.sciencedaily.com/releases/2019/05/190517081636.htm
犬を飼うことと人間の遺伝子の関係性について明らかにしたのは、スウェーデンのウプサラ大学で分子疫学を研究するTove Fall教授らの研究グループです。研究グループはまず、「Swedish Twin Registry(スウェーデン双生児登録)」に登録された双子のデータと、スウェーデン農業庁とスウェーデンケネルクラブが保有する犬の飼い主のデータを照合しました。
by nd3000
その結果、成人した9万3524人の双子のうち、8503人が犬を飼っていることを突き止めました。さらに、同じ遺伝子を持つ一卵性双生児と、異なる遺伝子を持つ二卵性双生児の違いに着目して分析したところ、遺伝子が同じ双子の方が高い確率で犬を飼っていることが判明したとのこと。
この研究結果についてFall氏は、「遺伝子が犬を飼っているかどうかに大きな影響を与えているという結果には驚かされました。犬は世界中で飼われていますが、そのことが人間の暮らしや健康にどんな影響を与えるかは、まだ完全には解明されていないからです」と述べました。
また、論文の共著者で考古学者のキース・ドブニー氏は「長年にわたる考古学的研究により、『いつ、どんな風』に犬が人間と出会ったかは分かるようになりましたが、遺伝子データの研究により『なぜ、どうやって』出会ったかが分かるようになるでしょう」と語り、犬と人との関係をめぐる研究に新たな観点が加わったとの見方を示しました。
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