ハワイ最大のオタクイベント「カワイイ☆コン」で垣間見えた日本とは全く違う海外のファン活動とは?

2019年4月5日から4月7日まで開催されていたハワイ最大のアニメ・コンヴェンション「カワイイ☆コン」では、日本のアニメやゲームを愛するファンが集合し、コスプレや企画に参加していました。大きな会場を借り切って開催されたカワイイ☆コンでは、会場の会議室やホールでさまざまな企画が催されていたので、果たして海外のファン活動とはどんなものなのかをこの目で確かめてきました。
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https://kawaiikon.com/
インフォメーションセンターがある会場の1階の大ホールはディーラーズエリアとなっていて、企業や個人がさまざまなブースを出展していました。

入ってすぐのところにあったのは、ユニクロのブース。ガンダムとザクIIの巨大なフィギュアが飾られていて、たくさんの人が記念写真を撮っていました。

また、アニメ配信サービスのブースも発見。「少女☆歌劇 レヴュースタァライト」や「メイドインアビス」の巨大タペストリーが掲げられています。

PRのブースだけではなく、ぬいぐるみやTシャツなどのグッズも販売するブースもありました。海外では日本国内よりも日本のアニメ・マンガ・ゲームのグッズの入手が困難であるため、コンヴェンションで販売されることが多いそうです。

よく見るとアニメグッズだけではなく、韓流アイドルのグッズも並んでいて、海外でのK-POP人気の根強さを実感しました。

棒のようなものがずらりと並んだ一画を発見。何が売られているんだろう?と思って近寄ってみると……

並んでいたのは大量の模造刀でした。やはり日本文化の一端として日本刀はかなり高い人気を誇るようで、多くの人が刀を物色。ここで購入した刀をぶら下げたまま会場をうろうろしている人も見かけました。

このエリアではロボットのプラモデルが山積みになっていました。特にガンプラは海外にも愛好者が多く、「GUNPLA BUILDERS WORLD CUP」という世界大会が開かれるほど。

GUNPLA BUILDERS WORLD CUPの参加作品や有志による作例も多く展示されていました。


また、一般参加のブースもあります。日本のイベントでは同人誌や同人ゲームを頒布するサークルが並んでいる光景がおなじみですが、アメリカのコンベンションでは、個人が描いたイラストを販売したり、好きなキャラクターの絵を有償で描いてもらうという、いわば有料スケブのような「イラストコミッション」が盛んだそうです。日本のアニメのキャラクターやアメリカン・コミックのスーパーヒーローなど、さまざまなキャラクターの絵がずらりと並んでいます。

そして、きわどい姿をした美少女のイラストがでかでかと展示されているこのスペースは「Hentai section」、つまり成年向けのコーナー。中に入るためにはID(身分証明書類)の提示が必要で、成年向けの抱き枕のカバーなど、ちびっ子には刺激が強すぎるグッズが並んでいました

ディーラーズエリアの隅では、お絵描き企画も開催されていました。以下の場面は1人がホワイトボードに絵を描くのを見ながら、「ダースベイダー!」「ソフトクリーム!」など何を描いているのかを当てるというゲームが行われているところ。

また、ディーラーズエリアの隣にはAutograph(サイン会)のエリアが用意されていました。ものすごい行列が並んでいるので一体誰が来ているのだろう?と確認したところ、偶然にもゲストとして招かれていた声優の平野綾さんのサイン会でした。海外でも日本の声優の人気は高い模様。

そして、片隅に駐車していた痛車を発見。これは「キルラキル」の纏流子をあしらったホンダ・シビック。

赤が基調のボディに大きく流子のイラストが描かれています。横に並ぶ「キルラキル」のカタカナがひっくり返っているのはわざとなのかうっかりなのかは不明でした。

助手席をのぞき込んでみると、流子の抱き枕が置かれていました。

このスバル・WRX STIは「Re:ゼロから始める異世界生活」のレムがモチーフになっていて、ナンバープレートの文字も「REMWRX」になっているという細かさ。


フロントガラスには「ユーキバニー」と書かれています。ボンネットにはレムのフィギュアが飾られているほか、助手席に抱き枕が座っていました。

場所を移して、会場の3Fへ。ここは一番人が行き交うフロアで、各部屋やホールで時間ごとにいろんな企画が催されていました。

いくつかのホールでは、常設企画が展示されていました。この部屋はゲームコーナー。

ゲームは無料で遊び放題。ハワイのアマチュア格闘ゲーマーサークルのメンバーがゲーム機を持ち寄り、鉄拳7やストリートファイターV、GUILTY GEAR Xrd REV 2などの格闘ゲームで遊ぶことができました。

格闘ゲームだけではなく、リズムゲームも人気。ダンスダンスレボリューションの巨大なコントローラーは、1人のファンが是非にと持ち込んだものだそうです。

また、奥にあった舞台上では「Rockband」でセッションが可能。

その場で初めて会う人がセッションをする場面もあり、めちゃくちゃ盛り上がっていました。

「デート・ア・ライブ」の時崎狂三のコスプレに身を包んだ女性がVRを体験しているエリアは……

なんとMicrosoftの協力で実現しているコーナー。

ずらっとならぶXbox Oneは全てMicrosoftから無料で貸し出されたものだとのこと。

一番広いエリアでは、大乱闘スマッシュブラザーズDXの大会も開催されていました。

「Tabletop」と書かれたホールでは……

アナログゲームが大量に用意されていて、自由に遊ぶことができました。

友人とカードゲームに興じる人もいれば……

知らない人と知らないゲームを遊びながら盛り上がる人もいます。

そんな中、ひときわ異彩を放っていたのがこの人形。

ここでは各自でキャラクターシートを作成して……

舞台装置を備えたテントの中でテーブルトークRPGをプレイすることが可能でした。アメリカでは「ダンジョン&ドラゴンズ」など、テーブルトークRPGの人気が日本国内よりも高いようで、会場では他にもさまざまなテーブルトークRPGのルールブックやサプリが用意されていました。

アナログゲームを遊ぶ場所なのに一生懸命工作をしている人がいるので、何をしているのだろう?と思ってよく見てみると……

アナログゲームに使うフィギュアの色塗りでした。

また、なぜかホールの片隅で、地元の工業高校によるロボットの実演が行われていました。

ロボットが実際にどんな感じで動くのかは以下のムービーで見ることができます。
ハワイ・カワイイ☆コンで目撃したロボット - YouTube

ロビーに出てすぐで勧誘活動を行っていたのはホノルルを拠点に活動するフェンシングクラブ。

「なんでフェンシングクラブがアニメのコンベンションで勧誘活動を?」と不思議に思って近寄ってみると……

机の上には「May the Force be with you.(フォースが共にあらんことを)」というパネルが、ストームトルーパーのヘルメットの横で輝いていました。フェンシングクラブと並んで出展していたのは、映画「スター・ウォーズ」に登場するライトセーバーを用いたスポーツクラブでした。

ライトセーバーを使ったスポーツは、フランスでは正式なスポーツ競技として採用されるなど、近年世界的にも人気が高まっています。

ライトセーバーの色は、手元のスイッチを押すことで変更が可能とのこと。明るいところだとその輝きは少しわかりづらいですが、構えてもらったところを明度を落として撮影すると、まるでガスの炎のように青く輝く刀身が見えました。

フェンシングで使われるライトセーバーはオリジナルカスタム。実際に刃を振り回したりぶつけあったりすると、「ブォン」「バチィン」など、劇中でおなじみの効果音が響き渡ります。実際にぶつけあうとどんな感じなのかは、以下のムービーでわかります。
ハワイ・カワイイ☆コンの会場ロビーで繰り広げられた「ライトセーバーフェンシング」 - YouTube

他にも、会場内の部屋ではさまざまな企画が催されていました。

部屋の前に置かれているパネルによると、「Kyuubi Talks Naruto!!」という企画が開催中とのこと。企画名からは内容が全く想像できず、めちゃくちゃ興味がそそられたので、いざ参加してみました。

中は至って普通の会議室。観客席にはNARUTOのコスプレに身を包む人がちらほら。

そして、一番奥の壇上ではNARUTOの九尾のコスプレをした人がしゃべっています。NARUTOという作品の魅力について語ったり……

巨大スクリーンに映し出された名シーンを身振り手振りで伝えるゲームが開かれていました。

別の部屋では「ユーリ!!! on ICE」のファンイベントが開催されていました。作品のタイトルしか書かれておらず、どんな内容なのかまったく不明。

入ってみると、作品のファンが集まって仲良く会話しているといった感じ。部屋の奥ではヴィクトルと勇利のコスプレをした二人が座っていました。

実際に会場がどんな感じだったのかは以下のムービーを見るとよくわかります。
(1) ハワイ・カワイイ☆コンの会場で開かれていた「ユーリ on ICE!!」のイベント風景 - YouTube

日本のイベントではほとんど見かけませんが、アニメのキャラクターになりきって同じ作品ファンとコミュニケーションをとるというのはかなりよくある形の様子。日本では原作にはないオリジナルの展開や設定を「二次創作」としてマンガや小説という形で表現する場合がほとんどですが、海外では「アニメキャラクターとの交流」もファン活動の1つの形として受け入れられているようです。

アニメキャラクターとの交流で最も人気があった企画が「Ask An Anime Character」というイベント。おそらくカワイイ☆コンでも最も人気があったであろう企画で、入場者待機列が会場の屋上にずらりと並ぶほど。

このAsk An Anime Characterはカワイイ☆コンで毎年開かれている名物企画で、人気アニメキャラクターの英語吹き替えを担当する声優が、作品の垣根を越えて会話をしたり、ファンからの質問に答えたりするというもの。2019年は「カウボーイビバップ」のスパイクや「コードギアス 反逆のルルーシュ」のコーネリア、「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」の草薙素子、「アドベンチャー・タイム」のプリンセス・バブルガムなどそうそうたる顔ぶれで、その人気もうなずけます。「Ask An Anime Character」が実際にどんな感じの内容だったのか、カワイイ☆コン運営がムービーを公開しています。
Kawaii Kon 2019 - Ask An Anime Character - YouTube

別の広い部屋では、何やら棒を持った人が集まり、活発に運動しています。

これは、アニメやマンガに出てくる戦闘術を実践しようという企画。フィクションのキャラクターが作中で披露する刀の構えや動きを取り込んで試合をするというものだそうです。

以下の部屋では、大勢の人がテーブルに座り、中央に立っているコスプレイヤーを眺めていますが……

これは、コスプレイヤーがさまざまなポーズを取っている様子を、1分間でスケッチしようという企画。

参加者の皆が真剣にスケッチを行います。

中には、タブレットPCとペン型端末でデジタルにお絵描きをする人もいました。

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