ホホジロザメはシャチに対して強い恐怖を抱いており遭遇しそうになると即座に逃げ出す
by Elias Levy
体長4mを超えるホホジロザメは世界中の海に広く分布しており、映画「ジョーズ」のモデルとなるなど、人間にとっては非常に恐ろしい存在です。ところがそんなホホジロザメはシャチを非常に恐れており、シャチが近づいてくると長い期間とどまっていた狩り場も捨ててあっという間に逃げ出してしまうと研究者が主張しています。
Great White Sharks Flee From Killer Whales - The Atlantic
https://www.theatlantic.com/science/archive/2019/04/great-white-sharks-flee-killer-whales/587563/
アメリカ・カリフォルニア州にあるモントレーベイ水族館の Salvador Jorgensen氏は、15年間にわたってカリフォルニア沖のホホジロザメについて研究してきました。Jorgensen氏らはサメに追跡用電子タグを撃ち込み、ホホジロザメの居場所を追跡し続けていたとのこと。
2009年、Jorgensen氏らはファラロン諸島の南東でゾウアザラシを狩っている17匹のホホジロザメにタグを埋め込みました。数カ月にわたってホホジロザメたちはファラロン諸島を狩り場としていたそうですが、2頭のシャチが狩り場付近に現れた2009年11月2日、全てのホホジロザメは突然姿を消してしまったそうです。
ホホジロザメたちは死んだわけではなく、ファラロン諸島を離れた水域にいることが確認されたとのこと。シャチが現れてからわずか8時間で長期間使っていた狩り場を離れたホホジロザメたちは、ほとんどが1カ月以上にわたってファラロン諸島へ戻ってこなかったとJorgensen氏は述べています。これと同様の事例は他にも確認されているそうで、Jorgensen氏は「ホホジロザメにとってシャチはこの上ない恐怖の対象なのではないか」と考えています。
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