取材

「青海駅」と間違えられる「青梅駅」の一帯は猫と昭和レトロで楽しめる場所だった


東京都の多摩北西部にある青梅市の「青梅駅」は、あまり東京の駅名に詳しくない人が「青海駅」と間違えてたどり着くことで知られています。しかし、間違いでたどり着くだけではなく、目的地として選んでも十分に楽しめるぐらいに、青梅駅周辺は観光できる場所でした。

こんにちは、自転車で世界一周をした周藤卓也@チャリダーマンです。都心へ出て家に戻る際、立川駅から青梅線に乗り換える必要がありました。立川駅より遠方はドアの開閉が押しボタンとなります。奥多摩へと続いていく青梅線の、路線名にもなっている「青梅」というのがどんな場所なのかずっと気になっていたので、ふらりと足を運んでみました。

◆「青海(あおみ)」と間違えられる「青梅(おうめ)
青海駅は、東京都江東区にあるゆりかもめの駅で、青梅駅は青梅市にあるJR青梅線の駅です。江東区は江戸川区を越えればもう千葉県という東側にあるのに対して、青梅市は埼玉県と接し、西は奥多摩町を越えれば山梨県という位置で相当離れています。ところが、青海にあるライブハウス・ZeppTokyoへ向けて移動していたはずのアイドルが青梅に到着するという事態が複数回発生しています。


アイドルだけでなく、お客さんも間違うようでした。

「青海」お台場ライブへ、着いた先は「青梅駅」 : 国内 : 読売新聞オンライン
https://www.yomiuri.co.jp/national/20190216-OYT1T50121/

JR東日本八王子支社によると、間違いは、青海駅近くのライブホール「Zepp Tokyo」(江東区)に行くつもりだった乗客に目立ち、「大きなライブの日は間違って青梅駅に来る人が2~3人いる」という。


◆青梅駅
そんな何かと話題となる青梅駅はこんな所でした。

駅名標


ここは青梅駅。間違って青海駅だと思ってお越しのお方は検索を。


2月から3月にかけて「名探偵コナンスタンプラリー」が開催されました。青梅駅に置かれたスタンプは犯人。「犯人はお前だ!」「犯人はおめえだ!」「犯人はおうめ(青梅)だ!」と、企画会議はさぞかし盛り上がったでしょう。


改札とホームをつなぐ地下通路には古い映画看板が飾られていました。


1999年(平成11年)に公開された「鉄道員(ぽっぽや)」が「レトロ」枠に含まれるらしく、ちょっとショック。


「ようこそ青梅へ!」とバカボンのパパやニャロメやらがお出迎え。


改札の外には逆立ちしたバカボンのパパの像もあります。


駅前はのんびりとした雰囲気が漂います。

青梅駅の駅舎


駅前の商業ビル


駅前にあるタワーマンション


同じ青梅市でも、よく利用していた河辺駅だと駅前に東急ストアや中央図書館が入るツインビルの商業施設がどんとあり、更に近くに西友までありました。市内の賑わいには偏りがあるようです。ちなみに、青梅市の人口は約13万3000人で、けっこう多くの人が住んでいます。

◆猫映画
のんびりとした駅前でしたが、観光するなら断然、青海より青梅でしょう。街を歩きだしたら、寅さんのような猫が主役の「猫はつらいよ」というイラストを発見。これに限らず、街なかは名作映画の猫パロディだらけでした。昔から青梅駅一帯は昭和レトロをテーマに映画看板で町おこしをやっていました。しかし、看板の老朽化および昨年の台風による強風の被害も出たことから、安全確保のためにその多くを撤去。代わりに猫を使っていくことになり、映画看板という伝統も引き継いで、思わずくすっと笑みこぼれる猫映画が誕生したという訳です。

「用心棒猫」「ニャーマの休日」「猫はつらいよ」


「ニャジラ」。次の映画はぜひこれで。


「猫と共に去りぬ」


「OLDAYS 三丁目のタマ」。「ALWAYS 三丁目の夕日」と「3丁目のタマ」を掛けていました。タマのデビューは「うちのタマ知りませんか?」という迷い猫を探すポスターでしたから、「タマは多摩にいますよ」と教えてあげないと。よその家庭に馴染んでいました。


「モダンニャイムス」


「極道の猫(にゃぁ)たち」。あんたら覚悟しいや!


「燃えよニャラゴン」


「怪猫二十面相」と「第三の猫」


「お熱いのは苦手」。猫舌ですからね。ニャリリン・モンロー主演。


「風邪の姉のニャウシカ」


青梅の猫は映画パロディだけではありません。

すりガラスに猫がいるにゃぁ。


街なかに置いてあった猫オブジェ。大きな猫の上で小さな猫が動き回っている世界がまたいい。


飲み込まれてしまいそうな猫ハウス。


◆昭和幻燈館
また、猫をテーマにしたミュージアムもありました。昭和幻燈館は後ほど紹介する昭和レトロ商品博物館の別館となります。現在の展示内容は墨絵作家の有田ひろみさん、ぬいぐるみ作家の有田ちゃぼさんのお二人からなるユニット「Q工房」の作品がメイン。「有田ひろみとちゃぼの青梅猫町商店街」とも謳っているように、猫でいっぱいの館内でした。加えて昭和が舞台。

こちらが建物


館内


ぽつんとした目が特徴的な猫たち


ぬいぐるみ


紙芝居と集まる子ども猫たちの絵


有名メーカーの看板を猫にした作品には、きっと「にゃぁり」とすることでしょう。


鯵(あじ)の素


「初戀の味がある」という言葉でカルピスは分かるのですが「ビタタマ」とはなんでしょう。デカビタが脳裏をかすめつつ、よくみてみると猫が大好きなマタタビを逆さにしていました。


◆昭和レトロ商品博物館
続いて、昭和レトロ商品博物館を訪問。古いお菓子・飲み物・雑貨・文具・くすりといった物が集められ展示されています。昭和の空気を今に伝える場所でした。

こちらが建物


昭和にタイムスリップしたかのような館内


昔懐かしの駄菓子屋さん。ここまで古くはないのですが、私が子どもの頃も100円玉を握りしめ駄菓子屋さんでお菓子を選んでいました。


昭和のおもちゃ。普通のめんこだけでなく、牛乳瓶の蓋もまためんことして遊ばれていたようです。


「太陽戦隊サンバルカン」「ウルトラマン80」「キャンディ・キャンディ」と当時の人気アニメキャラが描かれたアルミのお弁当箱。


「天才バカボン」や「鉄人28号」の漫画本も並んでいます。


古いカメラ。


ダイヤル式の黒電話は昭和58年生まれの私にはそれほどなじみがないのですが、どこかでダイヤルを回して電話をした記憶はあります。


歯磨き粉


昔のおくすりいろいろ。「實(実)母薬」や「きづ藥(薬)」と古い漢字に時代を感じてしまいます。


サロンパス


こちらは魔法瓶タイプのアイスクリームストッカーでした。冷凍庫が普及する前はドライアイスを使ってアイスを冷やしていたそうです。


2階には地元の妖怪として伝説が残る雪女に関する資料が集められていました。ふすまの絵は妙にリアルで怖いし館内には誰もいないし、背筋がちょっとヒヤッとしたのは気のせいでしょうか。


今年は元号も代わります。昭和はどんどんと過去になっていくので、こういった場所の重みは増していきそうです。

◆青梅赤塚不二夫会館
駅にバカボンのパパがいたように、青梅市には漫画家赤塚不二夫氏のミュージアムがあります。映画看板の街だったからこそ、映画看板製作に携わっていた経歴を持つ赤塚氏に白羽の矢が立ちミュージアムができたという経緯。

こちらが建物


イヤミといえばシェーのポーズ。その歴史がボードに記されているのですが、当時は相当な流行っぷりでした。


いまからいやみをいうざんすー!!


後は撮影禁止エリアのようで写真はお預け。展示の写真にはトキワ荘の人たちと一緒に赤塚氏がいるものもあって、メンバーだったんだと再確認。

この「昭和幻燈館」「昭和レトロ商品博物館」「青梅赤塚不二夫会館」は共通割引券があって、800円で3館回ることができます。

◆青梅鉄道公園
猫映画に3つのミュージアムにお腹いっぱいになりましたが、さらに青梅鉄道公園という観光スポットもあります。園内はミニSLが走っていたり古い車両の常設展示があったりと、小さなお子さんを連れた方や鉄道好きの方にはうってつけの場所。

山ぎわの方にある公園で少し登らないといけません。しかし、閉園間際だったため入ることができず。


でも、この辺りからの市街の眺めは格別でした。


マラソンの話題と「間違いでたどり着く」というニュースで名前を聞く青梅駅は、目的地としてもおすすめの場所でした。

(文・写真:周藤卓也@チャリダーマン
自転車世界一周取材中 http://shuutak.com
Twitter @shuutak
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Instagram https://www.instagram.com/shuto.takuya/
DMM講演依頼 https://kouenirai.dmm.com/speaker/takuya-shuto/)

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in 取材, Posted by logc_nt

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