暑い夏を涼しくしてくれる標高3000mの中国最大の湖「青海湖」

青海湖は中国最大の湖です。チベット自治区とウイグル自治区にはさまれた青海省にあります。人口が密集している沿岸部に比べると、人口が希薄で僧衣をまとったチベット族の姿も。緑の草原に、青い湖、菜の花の黄に、白い雲。モフモフしている羊さんに見慣れない毛むくじゃらのヤクさんが放牧されています。楽園のような場所でした。そう、ここはチャリダーの楽園。国際的な自転車レースもあるので、中国人チャリダーの姿も多いです。2009年の夏に青海湖を一周していました。暑い暑い日本の夏を、少しは涼しくしたいので紹介します。
こんにちは、自転車世界一周の周藤卓也@チャリダーマンです。日本は湿度があるのでアフリカより暑いです。
中国最大の湖である青海湖はこちらにあります。
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中国西部の蘭州から黄河を遡っていきます。黄河は名前の通りの濁流でした。

そうすると青海省の省都である西寧に到着します。ここで既に標高2000mを超えています。

西寧に荷物を置いて青海湖を一周していました。軽い自転車は最高です。

絵画のような景色ですが、これは本当に絵画……。

で、こちらが本当に「絵画のような景色」。信じられない光景が広がっていました。

青海湖の標高は3000mを超えてきます。

青海湖は本来予定にないルートでした。ですが、道中の宿のテレビに「青海湖一周国際サイクルロードレース」のニュースが流れていて惹かれました。高原に出るのでチベットの雰囲気を少しで味わえないかと期待していました。西寧から3泊4日で約550kmを走っています。
7月終わりの青海湖は菜の花の季節でした。

広大な菜の花の黄色が目に飛び込んできます。

菜の花畑の黄色い海。

軽い自転車をめいっぱい漕いで駆け抜けていきました。

気持ちいいほどの一直線。

湖の周りを山が囲んでいます。

緑の草原地帯。

爽やかな夏でした。

手が届きそうな距離に青海湖があるのですが、なかなかそこまではいけそうにありません。私有地なのか、有刺鉄線が張り巡らされています。湖へ通じる車の轍があるあぜ道では、お金を取られました。小学校低学年の可愛らしいお嬢ちゃんに「車だったらもっと高いのだけど、あなたは自転車だから安くしてあげるわ」と言われたら仕方ありません。この中国語が理解できて上機嫌になったのもあって素直に払いました。
湖畔の道路を走ります。

濃い青色の湖。

穏やかな湖でした。

海かと錯覚してしまう位に大きな湖。

水際までやって来ました。水面と白い雲が本当に近いです。

記念撮影。

湖水も透き通っていて、暑い夏を忘れさせてくれるような本当に素敵な場所でした。

青海湖岸の街は次の街まで距離があって、人口が密集していた中国らしくありません。草原を駆け抜けては、次々と街に飛び込んでいきました。
夏の放牧のための大規模なテント村

朝は冷え込んでいるので、窓が結露します。

はっきりと分かる街と自然の境。

こういう看板があって街に入って行きます。

なぜかバイクの座席に毛布を被せていました。

僧衣を着たチベット民族の人たちの姿もみかけます。

青海省のチベット人は約100万人で省内の人口の約20%をしめます。この青海湖一周でもチベットの空気を少し感じました。タルチョーと呼ばれる色鮮やかな祈祷旗が風になびていました。
小さな峠のてっぺんに架けられたタルチョー。

鮮やかなタルチョー塚。

タルチョーのある景色は神秘的です。

小さな宇宙のようなチベット寺院もみかけました。

青海湖の周りでは放牧が盛んです。ここの主役は何といったってヤクさん。ウシさんの仲間だけど毛むくじゃらの変な奴です。
観光客を載せていたおウマさん。

ヒツジさんの群れを連れて歩く羊飼い。

街では羊毛も運ばれていました。

緑の草原にヤクさんが放牧されていました。

水浴びをしているヤクさん。

青い空の下で黙々と草を食べるヤクさんの群れ。

こんな大自然の中で放牧されるヤクさんたち。

豆粒みたいに散らばっています。

国際サイクルロードレースの影響もあるのか青海湖は中国人チャリダーでいっぱいでした。街でもないのに湖畔には青年旅舎(ユースホステル)もあったりします。
たくさんの中国人チャリダーが走っています。

軽装の中国人チャリダー。

青年旅舎で仲良くなった大学生チャリダー。

彼とも青年旅舎で一緒。前の彼も含めた3人で食事を一緒にとりました。

中国人チャリダーも泊まっていた青海湖畔の青年旅舎。

旅行者の集まる宿で綺麗にされていました。

冷え込む場所ですから、夏にも関らずストーブが稼動。

宿の子犬は気持ち良さそうに眠っていました。

青海湖一周を終えて西寧に戻ります。そこから二つの大きな峠を越えて甘粛省の張掖に走った景色も、素晴らしかったので紹介させて下さい。
心地よい緑の大自然の中をウキウキしながら走っていました。

草原に放牧されるヒツジさんもまたいい。

ヒルクライムが始まりました。

前方の道を上らないといけません。

こんなに大きく上りました。綺麗な峠道です。

そして、富士山(標高3776m)より高い峠(標高3792m)を超えました。

九十九折のダウンヒル。

グニグニと曲がりながら一気に標高を下げて行きます。

視界の先には緑色に広がる草原。

街に下りてきました。

8月だというのに雪が残っています。

言葉を失ってしまうくらいに美しい放牧風景。

もう一度、大きな峠(標高3767m)を越えます。

森林限界を草しか生えない寂しい世界。

険しい山の頂付近に、ヒツジさんがいるみたいです。

この辺りでは夏の間だけ放牧を営む人たちのテントがありました。

こんな辺境でもビリヤード。どんな世界のどんな場所でも、男たちは玉を打っています。

こうした所を走って、甘粛省の張掖に抜けました。

2009年の夏はこのような場所をうろうろとしていたので、そこまで暑くありませんでした。2010年の北欧の夏は暑いどころか、震えるほどに寒かったです。2011年の中央アフリカの夏も雨季に入っていたので、厳しい暑さではありませんでした。
2012年の夏もそこまで暑くはなさそうです。7月初めから、富士山で働くことになっています。
(文・写真:周藤卓也@チャリダーマン
自転車世界一周取材中 http://shuutak.com)
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