Gmailが動的でインタラクティブなEメールを実現する「AMP for Email」に対応
Accelerated Mobile Pages(AMP)とはサイトへの高速なアクセスを可能にするため、GoogleやTwitterが開発を進めているフレームワーク技術です。2019年3月26日、GoogleはAMP技術をEメールにも応用し、メールの内容を常に最新情報に保ちインタラクティブなやり取りを可能にする「AMP for Email」にGmailが対応したと発表しました。
Take action and stay up-to-date with dynamic email in Gmail
https://www.blog.google/products/gmail/take-action-and-stay-up-to-date-with-dynamic-email-in-gmail/
AMPは複数の最適化処理を組み合わせることでモバイル向けウェブページの表示を高速化する、オープンソースのフレームワークです。徐々にAMPの機能を拡大してきたプロジェクトチームは2018年に、AMPをEメールサービスに応用し、Eメールをインタラクティブな動的メッセージとして近代化するフレームワーク「AMP for Email」を発表しました。
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過去10年ほどで世界のウェブエクスペリエンスは大きく変化しており、ウェブコンテンツは静的なコンテンツから、インタラクティブな操作が可能な動的コンテンツへと進化してきました。その一方で、Eメールは「より具体的なタスクを実行するための踏み台」としての役割にとどまっていると、GmailのプロダクトマネージャーであるAakash Sahney氏は指摘。
多くのEメールは本文にウェブサイトへのリンクを貼り付けており、結局のところユーザーはメール内のリンクをクリックし、ウェブサイト上で必要な操作を行っています。そこで、AMPをEメールに応用して動的コンテンツへと進化させることで、ユーザーエクスペリエンスの向上が実現できるとのこと。
AMP for Emailを使うことによりEメール上で出欠管理ボードへの記入、アンケートの回答、カタログの閲覧、コメントの返信といった作業が可能になります。Eメール上に表示される情報も最新のものへと更新され、「Eメールでは予約可能だった商品が、リンク先の通販ページでは売り切れになっていた」という悲しい事態を防ぐことができるそうです。AMP for EmailにはGmailのほかYahoo!やOutlook.com、Mail.Ruといった大手Eメールプロバイダーも参加しています。
すでにBooking.comやOYO Rooms、Doodle、Pinterestといったホテル予約サービスやスケジュール調整サービス、SNSがAMP for Emailへの対応を表明しています。以下の画像をクリックすると、OYO Roomsから送られた動的なメールがGmail上で動作する様子を、GIFムービー(約13MB)で確認可能。ウェブサイトを開くことなく、Gmail上でオススメのホテルを閲覧したり詳細情報を見たりできます。
Googleは以前から開発者向けにAMP for Emailを公開していましたが、2019年3月26日から一般向けにもAMP for Emailを公開しました。すでにAMP for Emailに対応しているウェブサービスもあるため、今後数週間のうちにGmail上で動的なEメールを見かけるようになるだろうとSahney氏は述べています。記事作成時点ではモバイル版のGmailではAMP for Emailに対応していませんが、モバイル版でも今後対応する予定だとのこと。
AMP for Emailを利用した動的なメールを送信したい場合は、Googleに申請を行って登録する必要があります。また、Googleが提供するアプリケーションパッケージであるG Suiteのユーザーは、数日以内に管理コンソールから組織全体でAMP for Emailを有効化できるとのこと。なお、AMP for Emailに参加していないメールアプリを使用してGmailを開いた場合、AMP for Emailは有効にならず、これまで通り静的なEメールが表示されます。
なお、AMP for EmailはEメールを進化させるとみられている一方で、「静的なメッセージが記録されるという点もEメールのメリットであり、AMP for Emailに対応することでEメールのメリットを消してしまう」という指摘もされています。
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