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世界に存在する「見えないドレスコード」を破壊した地方ニュースキャスターの話


報道番組に出演する女性はその多くがハイヒールの靴を履き、しっかりと化粧をして、アクセサリーや美しい装いに身を包んでいます。しかし、真実を伝えるはずの自分のこのような姿が「偽りである」と気づいたことから、暗黙のドレスコードを破壊した人物も存在します。アメリカの地方ニュースキャスターであるJana Shortalさんの半生がYouTubeチャンネルのGreat Big Storyで公開中です。

How a News Anchor Broke the Unspoken Dress Code - YouTube


アメリカのローカルニュースのキャスターは、さらさらと流れる髪、きらびやかなアクセサリー、美しく引いたアイライン、鮮やかな口紅など、当たり前のように美しい装いです。


「ずっと彼女たちのようになりたかった。なぜなら、それがニュースキャスターへの道だから」と語る一人の人物。


「私は語ることができたし、クレジットカードも限度額まで達していたから、彼女たちをまねしたんです」


「でも、それではうまくいかなかった」と、語り手であるJana Shortalさんが登場。


ニュース番組のホストを務めるShortalさん(右)は、2枚上の画像で球場からニュースを伝えていた女性と同じ人物とは思えません。


「もしあなたが『自分はコスチュームを着ているようだ』と感じていたら、美しい声は出せません」とShortalさん。長い時間をかけて、Shortalさんは罪悪感なく「自分自身であることができる」方法を見つけたと語ります。


Shortalさんがホストを務めるのは、アメリカ・ミネソタ州の都市ミネアポリスのテレビ局「KARE 11」の番組。


Shortalさんがミネソタ州にやってきたのは2004年とのことですが、当時、ゲイやレズビアンがテレビ番組のホストとして成功している例はありませんでした。そのため、Shortalさんは自身が同性愛者であることをカミングアウトしていなかったそうです。


エレン・デジェネレスのカミングアウトが成功しなかったのを、子どもの頃に目にしたことを覚えています」と語るShortalさん。カミングアウトしたレイチェル・マドーさんも、2019年時点ではキャスター&ラジオパーソナリティーとして成功していますが、当時はテレビに出演していませんでした。このような環境の中で、Shortalさんは「自分は同性愛者である」という言葉を飲み込むことになります。


15年前に初めてミネソタ州にやってきたShortalさんが最初に実行したことは「ボーイフレンドを作ること」でした。「彼はすごくいい人でした」「15年間会ってないけど、まだ好きだよクレイグ!」とカメラに語りかけるShortalさん。


自分が同性愛者であることで、外には出さないものの常に葛藤を抱えていたとShortalさんは語ります。しかし、一人の人物の中に二人の人間が存在するかのような状況は長くは続きませんでした。


「この世界で育つ女の子たちの間には、ルールが存在します」と語るShortalさんがやってきたのは、自室。


クローゼットから1つの箱を取り出し……


中から写真を取り出します。


美しい髪型、完璧なメイク、雑誌から飛び出したような洋服など、テレビ業界という世界の中ではその「ルール」が特に目に付きます。当時の自分の写真を取り出し……


「見て、レズビアンのウソ笑い」と話すShortalさん。


カミングアウトをしていなかった当時、Shortalさんは自分が「自分ではない誰か」だと感じていたためカメラの前に立つことに自信がなく、恐怖を感じていたとのこと。また、自分が自分ではないと感じている状態で「真実」を語ることは難しいものでした。そんな時に「髪を切ったら?」というアドバイスを受けたそうです。


続いてShortalさんがやってきたのは美容院。


15年間、Shortalさんの髪を切り続けているのは、Kim Ericksonさんです。


Ericksonさんによると、最初Shortalさんは美しいボブカットを求めたそうですが、EricksonさんはShortalさんのヘアスタイルを「仕事用」ではなく「友だちと遊びにいく時のスタイル」に合わせてカットすることを提案しました。


Shortalさんにとって「仕事時の自分」と「友だちと遊びにいく時の自分」は大きく異なるため、2つの人物像にあう髪型を見つけることは、2人のクライアントの要求に沿う1つの髪型を見つけるようなことだったそうです。大きな挑戦でしたが、二人は協力しあって「Shortalさんにとって最も心地よいスタイル」を探していきました。


「彼女の新しい番組が決まったと聞いた時、『これが私たちが見たかったもの。多くの人が彼女に求めているものなんだ』とわかりました」とEricksonさんは語ります。


「2016年1月11日に番組が放映された時、私はこの髪型で、デヴィッド・ボウイのTシャツを着ていることに自信を持っていました。同時に、周囲の人が私をこてんぱんにして『彼女を番組から降ろせ!』というメールが届くことをすごく恐れていました。でもそのどちらも起こらずに、拍手だけが起こりました」


これが当時の映像。


「私は『自分が先駆者になるんだ』なんてことは言っていません。ただ自分自身であるだけです」とShortalさん。


「私たちは、LGBTQのコミュニティーが子どもたちに対して『自分はどちらに属するのだ』とハッキリさせようとする時に、悲痛なことが起こるのを知っています」


「私は、『仲間を得たいなら私たちが望む形になれ』と私に求めた人々のようには絶対になりません」とShortalさんは語りました。

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in 動画, Posted by darkhorse_log

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