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Facebookのアバター作成技術がすごすぎて「本物と見分けが付かない」と話題に


VR(仮想現実)の世界で本物の人間の顔や表情をリアルタイムで再現できる「コーデック・アバター」という技術をFacebookが公開しています。このアバターの動きの自然さは「驚異的」と言えるレベルで、「人間が仮想現実の世界で暮らす」という未来を想像できるものとなっています。

Facebook Can Make VR Avatars Look—and Move—Exactly Like You | WIRED
https://www.wired.com/story/facebook-oculus-codec-avatars-vr/

FacebookのVRアバターがどんなものなのかは以下のムービーから確認できます。

FACEBOOK CAN MAKE VR AVATARS LOOK—AND MOVE—EXACTLY LIKE YOU - YouTube


画面の中でころころと表情を変える女性の顔。


一見すると人間を撮影した映像のようですが、実は「Facebook Reality Labs」が機械学習技術を取り入れて作成したアバターです。ラボでは「コーデック・アバター」よ呼ばれているとのこと。


白い線より左が本物の女性の顔、右側がアバターです。


現実の女性の顔はこんな感じ。質感こそ微妙に違うものの、表情の変化などはリアル。人間に似せた人工の像は人間に似せれば似せるほど不気味さを増していくといわれていますが、アバターから不気味さは感じられず、「自然」という言葉が思い浮かびます。


男性バージョン。左側が現実の男性で、右側がアバター。やや表情に乏しい印象があるもののリアルです。


表情を変えるとこんな感じ。


そのほか、さまざまな人が作成したアバターは以下のとおり。


Facebook Reality Labsは、もともとFacebook傘下のOculusが所有していた研究開発センター「Oculus Research」を名称変更したもの。VRヘッドセットを使ったコミュニケーションでアバターを使うことが想定されており、実現すれば仮想世界でよりリアルな会話が行えるようになるはずです。

ムービーの中では、実際にVRヘッドセットを利用して仮想世界で会話する人の姿が映し出されていました。


頭の動きや表情がリアルタイムで連動しているのがわかります。ただ表情の大きさが一定範囲を超えるとアバターが再現しきれなくなっている印象がありました。



実際にアバターを作成するために顔をキャプチャしている様子がこれ。このキャプチャ装置は「Mugsy」と呼ばれています。


このアバター技術は作家でありWIREDの上級特派員であるPeter Rubinさんの取材により公開されたもの。アメリカ・ペンシルベニア州ピッツバーグにあるFacebook Reality Labsの代表であるYaser Sheikh氏は、2019年3月時点では「技術を一般公開する予定はない」としており、「早くても数年後の公開になるだろう」と語っています。

コーデック・アバターが素晴らしい技術であることは多くの人が認めるところですが、近年はディープフェイクが問題視されおり、コーデック・アバターにもディープフェイクと同様の問題がつきまといます。AIによって「顔」が自由に作れるようになればフェイクニュースがさらに真実味を増し、プライバシーを侵害する可能性も大きくなるという懸念です。FacebookのようなコミュニケーションプラットフォームでVRやARが当たり前に使われるようにあれば、さらに問題は大きくなります。

この点についてはSheikh氏も同意しており、「この技術の『本物への近さ』は成功にとって重要ですが、同時に『ユーザーを守ること』も重要です」とコメント。本人であることを証明する認証システムの開発も急がれており、目・声・クセといった生態的な特徴を取り入れた認証方法を作り出す必要があるとSheikh氏は述べました。

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in ソフトウェア,   動画, Posted by darkhorse_log

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