Intel製CPUに見つかった新たな脆弱性「SPOILER」はまたもシリコンレベルでの再設計による修正が必要
by Uwe Hermann
2018年に複数見つかった脆弱性に続いて、Intel製CPUに新たな脆弱性が見つかりました。「SPOILER」と名付けられたこの脆弱性は、2018年に見つかった脆弱性・「Meltdown」や「Spectre」と同様に「投機的実行」と呼ばれる処理を悪用するもので、シリコンレベルでの大幅な再設計なしには修正はできないものだそうです。
SPOILER: Speculative Load Hazards Boost Rowhammer and Cache Attacks
(PDFファイル)https://arxiv.org/pdf/1903.00446.pdf
SPOILER alert, literally: Intel CPUs afflicted with simple data-spewing spec-exec vulnerability • The Register
https://www.theregister.co.uk/2019/03/05/spoiler_intel_flaw/
脆弱性を報告したのはウースター工科大学とリューベック大学のコンピューター科学者です。
レポートによれば、「SPOILER」はメモリのボトルネックを解消するため現代のマイクロアーキテクチャに搭載されている「投機的実行」を悪用するもので、Rowhammerのような攻撃がはるかに簡単に実行できるとのこと。
SSDなどのストレージへの連続アクセスで権限を奪取できる「Rowhammer攻撃」類似のサイバー攻撃が可能 - GIGAZINE
「SPOILER」とはネタバレのことを指しますが、特に意味を持たせたわけではなく、Spectreと同様に「Sp」から始まる単語を選んだものだそうです。
脆弱性自体はIntelの第1世代CPUからすべてのものに存在し、仮想環境やサンドボックス環境でも機能します。また、「Meltdown」や「Spectre」に似ているものの別の脆弱性であり、「Meltdown」「Spectre」への対策では対応できず、シリコンレベルで再設計しなければ修正や影響緩和はできないとのことです。
・関連記事
IntelのCPUで新たな脆弱性「Portsmash」が発見される、ハイパースレッディングに関する2つ目の脆弱性 - GIGAZINE
CPUに内在する脆弱性「Spectre」に新種「Variant 4」が登場、Intel・AMD・ARMは対応策を発表 - GIGAZINE
IntelのCPUに新たな8つの脆弱性が発見される、内4つは「高い危険性」との評価 - GIGAZINE
Intelが第1世代Core i7やCore 2シリーズなど旧CPUの脆弱性「Spectre」対策を放棄 - GIGAZINE
Intelが脆弱性「Spectre」「Meltdown」をハードウェアレベルで対策したCPUを2018年後半にリリースすると発表 - GIGAZINE
Intel製CPUに内在する脆弱性問題の根は深く「すべてのプロセッサが安全性と高速性を両立できない問題を抱える」との指摘 - GIGAZINE
・関連コンテンツ