世の中の職業に必須な数学の単元が一目でわかるネットサービス「100の職業で利用する数学」
四則演算などの算数は買い物など日々役に立ってくれますが、三角関数や微分積分などを使わずに人生を終える人も大勢います。ブロガーのLM-7さんがHal Saundersの著書「When Are We Ever Gonna Have to Use This?」に基づいたネットサービス「100の職業で利用する数学」を公開しています。このネットサービスを見ると、「数学のこの単元を学んでおかないと、この職業に就くのは難しいんだ」ということがわかります。
Mathematics used in 100 jobs - LM-7 | Tableau Public
https://public.tableau.com/profile/lm.7#!/vizhome/Mathematicsusedin100jobs/JPN
ネットサービス:100の職業で利用する数学にアクセスするとこんな感じ。左端のペインには数学の単元の項目がズラリと並んでいます。「分数」「小数」などの小学生レベルの基礎数学の項目から……
縦にスクロールすると、「行列」「三角関数/円関数」などの高校生レベルの数学の項目や、カテゴライズできない「暗算」「数学コミュニケーション」などの項目が並んでいます。
数学の項目のペインの隣には、100種類の職業が並んでいます。物理学者(研究)などいかにも数学が必要そうな職業から、獣医・陶芸家・農場経営者・DJなど、一見数学とは縁が遠そうな職業まで多数の職業が選択肢にあります。初期設定では、左のペインに表示された数学の単元をマスターしているという設定になっているので、100種類の職業全てに就けると表示されています。
実際に使ってみることに。例として、「微積分と高等数学はできない」としてみます。「微積分と高等数学」の横のチェックボックスをクリックすると、チェックボックスに×アイコンが表示され、「微積分と高等数学はできない」という設定になりました。複数の項目をチェックする場合にはCTRLキーかCommandキーを押しながらクリックします。
「微積分と高等数学はできない」設定では、就業可能な職業は100種類から91種類に減りました。「物理学者(研究)」「コンピュータープログラマー(リアルタイム)」「航空宇宙エンジニア」「マイクロ波エンジニア」「大気質エンジニア」「化学エンジニア」「機械エンジニア」「エレクトロニクスエンジニア」「生物学者」は「微積分と高等数学」を活用するので、微積分と高等数学ができない人はこれらの職業には就けないわけです。
三角関数やベクトル・行列などの、高校生以上で習う数学を習っていないという設定にすると、就業可能な職業は100種類中、57種類に。数学を学ばないということは、多くの職業に就ける可能性を捨ててしまうということです。
また、表の上部に並んでいる項目も選択可能で、選択するとその単元の青丸が強調表示になり、どの職業に必要かがわかりやすくなります。試しに「ベクトル」をクリックしてみると、こんな感じ。物理学者(研究)や、各エンジニア、内科医、カイロプラクターにはベクトルの習得が求められる様子。
表の上の青丸アイコンにカーソルを合わせると、その職業に必要な項目を個別にチェックできます。「Required」の項目が真だと必要、偽だと不要です。
「100の職業で利用する数学」は1986年代にアメリカで行われた調査を基にしているため、ヤード・ポンド法など日本では不要な単元があったり、関数電卓など当時に比べて重要性が下がった単元もあったり、逆に当時に比べて、コンピュータープログラミングの重要性が上昇したことが反映されていなかったり、時代の変化に対応していない面もありますが、数学の重要性を直観的に理解できるネットサービスになっています。
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