Googleが行うユーザーの位置情報収集を不正だとしてノルウェーの消費者団体が批判

by FOX

Googleはアプリやウェブサービスを通じてユーザーの位置情報を収集し続けているとされており、プライバシーに関する懸念の声が挙がっています。そんな中、ノルウェーの消費者団体であるForbrukerrådet Norgeは、Googleが不正なデザインを使用してユーザーの位置情報を収集していると批判しました。

Every Step You Take
(PDFファイル)https://fil.forbrukerradet.no/wp-content/uploads/2018/11/27-11-18-every-step-you-take.pdf

New study: Google manipulates users into constant tracking : Forbrukerrådet
https://www.forbrukerradet.no/side/google-manipulates-users-into-constant-tracking

2018年8月、Google製のアプリはスマートフォンの位置情報を無効にしていても、ロケーション履歴やウェブとアプリのアクティビティなどをもとに、ユーザーの場所データを追跡・収集し続けていることが報道により明らかになりました。特にAndroidユーザーはGoogleによって位置情報が収集されやすいそうですが、iOS端末を使用していてもGoogleによって位置情報が収集されることには変わりがないとのこと。

Googleアプリはたとえ位置情報を無効にしても場所データを追跡・収集し続けていると判明 - GIGAZINE

Googleはスマートフォンを持つユーザーがどこへ向かっているのか、どのように動いているのかを記録しています。この情報を検索履歴や訪問したウェブサイトといった情報と組み合わせることで、よりターゲットを絞った広告や効果的な広告を表示することに役立てているとのこと。

ノルウェー消費者協会のデジタルサービス部門長であるGro Mette Moen氏は、「Googleは法的根拠なしに広範囲で詳細なユーザーデータを収集しており、その入手方法は巧妙なテクニックを利用したものです」と述べました。

Forbrukerrådet Norgeは、Googleが収集しているデータについて説明したムービーをYouTubeで公開しています。

Google manipulates users into constant tracking

ムービーの冒頭では、「Google spies on you(Googleはあなたをスパイしています)」という強烈なメッセージが表示されました。

Googleが収集した情報を使えば、特定の時間帯に自宅のどの部屋にいたのかまでわかるとのこと。

この女性は、自宅のリビングとキッチンで多くの時間を過ごしていることが、スマートフォンの場所データからわかりました。

また、女性が深夜に教会の集会へ出向いた履歴が残っており、「スマートフォンの場所データから自分がカトリックであることがわかりますね」とコメント。

こちらの男性は自身の場所データの履歴を見ながら、「ああ、そういえばタバコ休憩をしたかな」と記憶を思い出しています。

自身が動いた履歴を見つめる男性は……

自分がどこを歩き、どのタイミングでトイレに行ったのかということまでわかることに驚いています。

さらにForbrukerrådet Norgeは、AndroidユーザーからGoogleが位置情報を収集するために駆使しているダークパターン的テクニックについて説明しました。

◆1：不正なクリックフロー
Andoroidデバイスを設定する時のクリックフローは、それと意識させずにユーザーが「ロケーション履歴」をオンにするように誘導しており、ユーザーが情報にもとづいて自由に意志決定することを阻害しているとのこと。

◆2：隠されたデフォルト設定
Googleアカウントの設定時、ウェブとアプリケーションのアクティビティに関する設定は「MORE OPTIONS」をクリックしないと表示されず、デフォルトでオンになっているとForbrukerrådet Norgeは非難しています。

◆3：誤解を招く情報表示バランス
ロケーション履歴に関する情報を表示するには、設定画面から「Learn more」を開いてからさらに下矢印アイコンを開かなければならず、ユーザーに十分な情報がわかりやすく表示されていないそうです。

◆4：繰り返し要求
Googleのアプリを使用している際に、設定からロケーション履歴をオフにしているにも関わらず、繰り返しロケーション履歴をオンにするように求められる点に問題があるとのこと。

◆5：サービスに組み込まれた位置情報追跡
ユーザーがGoogleアシスタントの「写真を撮影した場所の順に並べる」機能をオンにする場合、Googleがロケーション履歴をオンにするよう要求してくる点も、Forbrukerrådet Norgeはユーザーの自由を奪うものだとして批判しています。