無料で使えるコックピット内での「読みやすさ」を追求したオープンソースのフォントファミリー「B612」
航空機用のフォントに求められるものを詰め込んだオープンソースのフォントファミリーが「B612」です。航空機のコックピット内での読みやすさを重視し、低・中解像度のスクリーン上でも文字がしっかりと判読できるようなデザインとなっています。
B612 – The font family
http://b612-font.com/
◆B612とは?
2010年、航空機メーカーのエアバスがENACおよびトゥールーズ大学と協力し、航空機用のフォントを定義・検証するための研究をスタートしました。研究の課題は文字の読みやすさを向上させ、コックピット内に存在する文字の均一性を最適化することだったそうです。
エアバス・ENAC・トゥールーズ大学が協力して進めた研究成果は、デザイン事務所のIntactile DESIGNがフォントという形で再現することとなりました。Intactile DESIGNは航空機用のフォントとしての条件を満たす8つのフォントバリエーションを作成し、これらをひとつのフォントファミリーと定義。こうして作られたフォントファミリーの「B612」は、フランス人作家でありパイロットとしても活躍したアントワーヌ・ド・サン=テグジュペリの代表作である「星の王子さま」に登場する架空の惑星B 612から名前を付けられることとなります。
「B612」はコックピット内で表示されることを考慮に入れ、低・中解像度のスクリーン上で表示されても正しく文字が読めるようにデザインされているとのこと。フォントファミリーの「B612」は、B612とB612 Monoという2種類のフォントで構成されており、それぞれノーマル体・イタリック体・ボールド体・ボールドイタリック体が用意されています。
◆フォントのインストール
PCにB612をインストールするには、公式サイトにアクセスしてページ下部にある「Download the font」をクリック。
すると以下のようなZIPファイルがダウンロードできるので、Explzhなどのソフトを使ってファイルを解凍し……
フォルダ内にある「TTF」というフォルダをクリック。
すると中にB612フォントファミリーに属する8つフォントをインストールするためのTTFデータが収納されているので、インストールしたいものを右クリックして「インストール」を選択すればPC上で使えるようになります。
B612のノーマル体・イタリック体・ボールド体・ボールドイタリック体で「Gigazine」と書くとこんな感じ。
B612 Monoのノーマル体・イタリック体・ボールド体・ボールドイタリック体で「Gigazine」と書くとこうです。
なお、フォント作成プロジェクトをスタートさせたエアバスは、「B612」を将来の航空機用パイロットシステムインターフェースおよびデバイスの設計にすでに使用しています。また、「B612」はEclipse Foundationが推進するPolarSysプロジェクトのもと、オープンソースライセンスのひとつであるEclipse Public Licenseで配布されているので、無料で使用できるだけでなく商用利用も可能です。
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