地球から6光年離れた惑星に地球外生命体が生存する可能性
ヴィラノーバ大学の天文物理学者たちが発表した最新の研究が、へびつかい座の方向にある恒星・バーナード星を周回する惑星の「バーナード星b」に水が存在する場合、この星には原始的な生命が存在する可能性があると指摘しています。バーナード星bは太陽から約6光年離れた位置にある惑星です。
New Paper by Villanova Astrophysicists Indicates Potential for Primitive Life on Icy Barnard b Super-Earth Planet if Geothermal Activity Exists | Villanova University
https://www1.villanova.edu/villanova/media/pressreleases/2019/0110.html
Alien Life May Exist on Large Planet 30 Trillion Miles From Earth: Researchers
https://www.ntd.com/alien-life-may-exist-on-large-planet-30-trillion-miles-from-earth-researchers_276145.html
バーナード星bに海が存在する場合、地熱により原始的な生命が生まれている可能性が指摘されています。研究を発表したエドワード・ギナン氏は、「地熱が地球の南極にみられる地底湖のような『生活圏』を支えることができるだろう」と語っています。
バーナード星bは「少なくとも地球の3.2倍の大きさがある」といわれる巨大な惑星
ヴィラノーバ大学の研究者たちが発表した研究論文によると、本来は生命が存在できないような厳しい環境であっても、地表に水が存在する場合、地熱暖房効果により生命が誕生する条件が整う可能性があるとのこと。バーナード星bの温度は木星の衛星であるエウロパに近いマイナス150度で、本来であれば生命が存在できる状態ではありません。しかし、潮汐加熱により表面の氷の層の下に液体の海が存在するエウロパと同様に、バーナード星bも水さえあれば地熱により液体の海が形成され原始の生命体が誕生している可能性がある、と研究者たちは指摘しているわけです。
以下はバーナード星の太陽からの距離を示した図。アルファケンタウリよりは遠いものの、バーナード星は銀河系の恒星のうち4番目に地球に近い恒星であると考えられています。なお、バーナード星bは太陽系外惑星の中ではプロキシマ・ケンタウリbに次いで2番目に地球に近い太陽系外惑星となります。
バーナード星bが発見されたのは2018年11月のことで、地球の3倍の質量を持つスーパー・アースであると話題になりました。
地球からわずか6光年離れた恒星に「99%太陽系外惑星が存在する」と研究者が主張 - GIGAZINE
バーナード星bは233日ごとに恒星であるバーナード星を公転しているそうで、恒星からの距離は「太陽から水星とほぼ同じ距離」だそうです。
太陽の年齢は46億年ですが、赤色矮星のバーナード星はなんと約90億年と約2倍。ギナン氏は「宇宙は我々人類、あるいは太陽自体さえ存在していなかったはるか昔から地球規模の惑星を生み出してきたわけです」と語っています。
研究者の中にはバーナード星bとバーナード星の距離から生命は存在しないと主張する人もいますが、ギナン氏ら研究チームは生命が存在する可能性が高いとみており、「バーナード星bの発見において最も重要な側面は、太陽に最も近い2つの恒星(バーナード星とプロキシマ・ケンタウリ)が惑星を持っていることを知れたという点です。これはケプラーが収集したデータに基づく研究を支持し、惑星は銀河の至る所で非常に一般的になり得ることを予感させるものです。惑星の数は数百億に達する可能性すらあります」と語っています。
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