レビュー

再利用可能&使い捨てカイロの13倍の発熱量という「ハクキンカイロ」を実際に使い捨てカイロと使い比べてみた


登場から90年以上のロングセラー「ハクキンカイロ」は、24時間連続で使える温度持続力と、使い捨てカイロの13倍という発熱量が特徴的。使い捨てのカイロでも24時間使えるという品はあるので、どれぐらいの違いがあるものなのか、実際に使ってみました。

ハクキンカイロについて|カイロ 懐炉 スキー スノーボード アウトドア|ハクキン 白金
http://www.hakukin.co.jp/about.html

開封して使ってみた
使い捨てカイロと比較してみた

開封して使ってみた
ハクキンカイロ STANDARDのパッケージはこんな感じ。ハクキンカイロには小さめの「ハクキンカイロ mini」と大きめの「ハクキンカイロ GIANT」がありますが、今回は通常サイズの「ハクキンカイロ STANDARD」を使ってみます。


パッケージの裏面にはハクキンカイロについての豆知識が書かれています。ハクキンカイロはベンジンに火をつけて燃やしているわけではなく、熱されたベンジンがプラチナとの触媒反応により炭酸ガスと水に分解され、そのとき発生する熱を利用したクリーンでハイテクなカイロとのこと。


パッケージの中には専用袋・注油カップ・ハクキンカイロ本体・説明書が入っていました。


ハクキンカイロ本体の大きさはこんな感じで、交通系ICカードよりほんの少し大きい程度。ポケットにも楽々入ります。


蓋を開けると、本体の上部には火口(ほくち)がついています。火口の部分で本体に入っているベンジンなどの燃料を反応させて発熱させます。


火口もパカッと取り外すことが可能。


本体には綿が詰まっています。


実際にハクキンカイロ本体に給油してみます。火口を外した本体に、付属の注油カップを差し込みます。


燃料を用意します。ホワイトガソリンやZIPPOオイルなどもハクキンカイロに使えるそうですが、今回はハクキンカイロ指定のエビスベンジンを使用します。価格は税込1080円。


エビスベンジンの蓋を反時計回りに回し、開栓します。


ハクキンカイロ本体に直接燃料を給油せず、まずはハクキンカイロに差し込んだ注油カップに燃料を注ぎます。ハクキンカイロ本体に平行になるように注油カップを差し込んだ状態では、注油カップからハクキンカイロ本体に燃料が落ちていかないようになっています。


注油カップの側面に書かれた線で注いだ燃料の量がわかるように2本の線が描かれており、上の線まで注ぐと12.5ml(12時間分)、下の線まで注ぐと6ml(約6時間分)の燃料を給油可能です。


注油カップに燃料を入れた後、注油カップの注ぎ口の部分を90度回転させると、注油カップに入れた燃料がハクキンカイロ本体に注がれます。ハクキンカイロ本体には注油カップ2杯分、25ml(24時間分)まで燃料を入れることができます。


ハクキンカイロ本体に容量以上の燃料を入れていると事故や故障の原因になるため、燃料を注いだ後は注油カップの上でハクキンカイロ本体を逆さにし、タンクの中央部分を指で押して余剰分の燃料を出します。


給油が済んだら、忘れずにエビスベンジンに蓋をしておきます。


火口をはめて……


火口をライターやマッチの火で3~5秒ほどあぶります。これは着火のためではなく、火口を触媒反応が起きる温度まで加熱することが目的です。ちなみに、この作業で火口を下にしてライターであぶると、火口が傷むことがあるとのこと。


加熱が完了したら蓋を閉めて……


直接肌に触れていると低温やけどの恐れがあるため、専用の袋に入れて使用します。


実際に使ってみると想像以上に発熱してくれ、カイロベルトなどで身体に固定すると、身体をポカポカに暖めてくれます。ベンジンの匂いが少し気になりますが、屋外では気付かないレベルでした。


使い捨てカイロと比較してみた
「ハクキンカイロ」は使い捨てカイロと比べて発熱量が13倍で、しかも最長24時間持続可能というところが大きなウリの1つなので、実際に複数の使い捨てカイロと温度や持続時間を比べてみることにしました。

今回はハクキンカイロと、公式サイトで製品の温度設定や持続時間の情報を詳しく公開していた桐灰化学の「桐灰カイロ 貼らないタイプ」「桐灰はるカイロ」「めっちゃ熱いカイロ マグマ」の3種類を比較してみました。ちなみに、24時間使用時のエビスベンジンの価格はおよそ54円、カイロはいずれも1個30円台です。


ハクキンカイロに熱を入れるのと同時に、使い捨てカイロも使用状態にして、一斉に測定開始。


5分後の温度は、ハクキンカイロ(左上)が約41度、「マグマ」(右上)が約29度、貼らないカイロ(左下)も約29度、貼るカイロが約34度。ハクキンカイロだけがかなりの高温になっていました。


ハクキンカイロは袋から出した場合、火口付近が130度を超える温度になっていました。袋に入れずに使用することの危険性がよくわかります。


2時間後、全てのカイロがピーク温度を迎えたところで測定してみました。ハクキンカイロ(左上)は約44度、「マグマ」(右上)は約53度、貼らないカイロ(左下)は約48度、貼るカイロは約43度でした。「マグマ」と貼らないカイロは、ハクキンカイロと貼るカイロに比べて温度が高くなるまで時間がかかりました。


14時間後もハクキンカイロ(左上)は約43度を維持していますが、持続時間の12時間を過ぎた「マグマ」(右上)は約22度と温度が低下。貼らないカイロ(左下)は約38度。持続時間の14時間を迎えた貼るカイロは約34度となりました。


触ってみると、ハクキンカイロはまだ十分暖かく感じますが、貼らないカイロはかなり暖かさが弱まっています。


24時間経過後の状態がコレ。カイロとして役立つ温度を維持できていたのはハクキンカイロ(左上・42度)と貼らないカイロ(左下・38度)。ハクキンカイロはピーク時からそのまま温度をキープ、貼らないカイロはピークに比べると下がったものの使用開始14時間後の時点と同じ温度でした。


さらに待って、24時間半経過後に測定したところ、ようやくハクキンカイロの温度が下がってきました。持続時間24時間に嘘偽りはありませんでした。


カイロが机の上で温かかったとしても、ポケットに入れて暖を取れなければ意味がないので、実際に屋外に出て使用し……


編集部付近の気温は約11度でした。


30分後に室内に戻って温度を測定してみました。腹部に貼った「貼るカイロ」を服の上から測温すると30.6度。


ズボンの左のポケットに入れた「めっちゃ熱いカイロ マグマ」は、服の上からの測温で33.6度。普通の「貼るカイロ」と比べて温度が高く、実際に使ってみて「寒さにかなりの効果がある」とはっきり感じました。


ズボンの右ポケットに入れたのはハクキンカイロ。温度は34.8度でした。こちらも寒さ対策には大きな効果があると感じました。


ハクキンカイロは使い捨てカイロよりもピーク温度到達が早く、かつその温度を長時間維持してくれるというのが嬉しいところ。また、使い捨てカイロは持続時間が固定ですが、ハクキンカイロは燃料の量を調整することで持続時間を自分で決められるので、「ちょっとした外出だけれどカイロが欲しい」という時も適宜対応可能。燃料自体の取り扱いがやや難しいこと、長期間の運用には部品交換が必要となってくること、室内だと使用する燃料によって匂いが気になることがあるなど、使い勝手にクセはありますが、だからこそ愛着を持って長く使えるアイテムとなるとも感じました。

ハクキンカイロはAmazon.co.jpや公式オンラインストアから購入可能です。記事掲載時点でAmazon.co.jpでの価格は税込3260円となっていました。

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in レビュー, Posted by darkhorse_log

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