4歳の少年がSiriを使って意識を失った母親を救う
AppleのiOSに搭載されている音声アシスタントのSiriは、人間が話した言葉を処理して質問に答えたりウェブサービスが利用できたりします。そんなSiriを使って、4歳の男の子が意識を失った母親の命を救ったと報じられました。
Boy, 4, uses Siri to call 999 after mum collapses - BBC News
https://www.bbc.com/news/uk-wales-46557335
Four-year-old used Siri to get help for his unconscious mom
https://appleinsider.com/articles/18/12/18/four-year-old-used-siri-to-get-help-for-his-unconscious-mom
イギリスのウェールズ南西部に位置するペンブルックシャーに住むビュー・オースティン君は、ある朝に母親のジェスさんが気絶しているのを発見しました。当時妊娠中だったジェスさんはつわりの治療薬を服用しており、その薬の副作用で意識を失ってしまったそうです。
SiriやAlexaといったデジタルアシスタントと話すことに慣れていたビュー君は意識のないジェスさんの姿を見て、イギリスの緊急通報用電話番号である「999」に電話するようジェスさんのiPhoneに搭載されていたSiriに頼んだとのこと。
BBCが公開したビュー君と電話を受けた救急サービスオペレーターのアシュリー・ペイジ氏とのやり取りがコレ。
Beau Austin has been given a bravery award
「救急サービスです。緊急事態が発生した場所の住所を教えていただけますか?」と話しかけるペイジ氏に……
「あの人が病気なの」と答えるビュー君。
「あの人が病気?」と聞き返すペイジ氏。
ビュー君は「そう、お母さんが病気なの」と答えます。
ペイジ氏が「誰か一緒にいるの?」と聞くと……
「お母さんがいるよ」とビュー君は答えました。
ビュー君が救急サービスに連絡を取って自宅の住所を伝えた後、一時的にジェスさんが意識を取り戻し、ビュー君が伝えた住所が正しいと確認することができたとのこと。しかし、その後すぐにジェスさんは再び意識を失いそうになってしまい、ビュー君はペイジ氏から、電話越しにジェスさんの意識を保つ方法をレクチャーされました。
ジェスさんは救急車で搬送されて回復し、「あの時、家には私とビューしかいませんでした。ビューは本当によくやってくれました」と語り、ビュー君がSiriをそんな風に活用できたことに驚いたとのこと。ビュー君はiPhoneのSiriを使って緊急通報用電話番号に電話をかける方法について、「前にテレビで見た」と話しています。
電話を受けたペイジ氏は、「ビュー君のSiriに関する知識、自宅の住所を認識していたこと、そして彼が落ち着いていたことが母親を助けたのです」と語っています。後日ビュー君の学校を救急サービスのマスコットキャラであるジャックとイギリス国民保険サービス(NHS)のコミュニティチームが訪れ、ビュー君に表彰状とお菓子袋が贈呈されたとのこと。一番左のマスコットがジャック、その右が母親のジェスさん、表彰状を手にしているのがビュー君、一番右に立っているのがペイジ氏です。
NHSのコミュニティチームでユーザーエクスペリエンスマネージャーを務めるフィオナ・マクリーン氏は、「ビュー君の出来事は、子どもたちが自分の家の住所を知っていること、できれば郵便番号までわかっていることの重要性を示しています」と語り、学校や地域社会と協力して子どもたちが自宅の住所を知り、緊急時にとるべき行動を教えるよう努めたいとしました。
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