AppleはiPhoneのために独自にモデムチップを開発中か
AppleとQualcommの関係悪化により、AppleはiPhoneやiPadで採用していたQualcomm製のモデムチップを排除し、代わりにIntel製品を採用しました。しかし、このIntel製のモデムチップはQualcomm製のものと比べると通信速度などさまざまな面で劣っていることがテストの結果から明らかになっています。そんな中、Appleが独自のカスタムモデムチップを開発中だとThe Informationが報じています。
Apple Developing Modem as Chip Efforts Expand — The Information
https://www.theinformation.com/articles/apple-developing-modem-as-chip-efforts-expand
Apple reportedly developing custom cellular modem for iPhones in-house amid battle with Qualcomm - 9to5Mac
https://9to5mac.com/2018/12/12/apple-custom-cellular-modem/
iPhone XSの心臓部にあるA12 Bionicのように、Appleはこれまで複数のカスタムチップを独自開発してきました。この動きはiPhoneやiPadといったモバイル端末だけでなく、Mac向け製品にも徐々に伝播しており、2020年にはMac向けのCPUもAppleが独自開発するようになるのではという報道も流れるほどです。しかし、先に開発中であることが明らかになったのは「iPhone向けのモデムチップ」でした。
The Informationによると、Appleが端末内の最も複雑で高価なハードウェアコンポーネントの1つである、セルラーモデムの開発に取り組んでいるという明確な証拠が見つかったとのこと。その証拠というのはAppleによる求人募集で、そこには「サンディエゴのオフィスで働くセルラーモデムのシステムアーキテクト」が募集されていたそうです。
さらに、The InformationはAppleの計画に精通しているという匿名の情報源から、モデムチップ開発が実際に進行中のプロジェクトであるという裏付けを得ることにも成功しています。しかし、The InformationはApple製のモデムチップが登場するまでに「3年ほどかかる可能性がある」と記しており、2019年のiPhoneからモデムチップが独自開発のものに代わる、というような話ではないようです。
Intel製のモデムチップが性能と信頼性に問題があると指摘されていることから、Appleが独自にモデムチップを開発するのは品質改善を狙ってのことと思われがちですが、それだけを狙っているというわけではありません。Appleが独自にモデムチップを設計・製造することとなれば、MacBookのような他のAppleデバイスへの搭載もより容易になることは明らか。2020年までにAppleはMac向けの独自CPUをリリースすると報じられており、そのタイミングでMac向けにも自社製モデムチップを採用してくるということは十分に考えられる、と9to5Macは指摘しています。
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