アメコミ界の巨匠スタン・リーの魅力をマーベルのスタッフたちが語るムービーが公開中
スパイダーマンやアイアンマンなど、世界的人気を誇る数々のアメコミヒーローの産みの親であり、2018年11月13日に95歳で惜しまれつつもこの世を去ったスタン・リー氏をしのんで、マーベルのスタッフたちがリー氏の魅力を思い起こすムービーが「Marvel Remembers the Legacy of Stan Lee(マーベルがスタン・リーという伝説に思いをはせる)」という題とともに公開されています。
Marvel Remembers the Legacy of Stan Lee - YouTube
「私はスタン・リーです。30年にわたって若い世代に物語を書いている間、私は『若者が何を考えているのか』についてたくさんのことを学びました。さらにより重要なこととして、『若者とは何なのか』について多くを学んだと思っています。私たちは、聴こうとする人たちに『声』を届けようと努めています。必要とされている『声』が私たちの発するものであると願うばかりです」と語るのは、コミック原作の第一線を離れ、マーベル・コミックのスポークスマンとなったばかりのスタン・リー氏。
1922年に生まれたリー氏は1939年に、後にマーベル・コミックとなるタイムリー・コミックスに入社。コミックの編集者・原作者として活躍します。
「キャプテン・アメリカ」「ファンタスティック・フォー」「アイアンマン」「スパイダーマン」「マイティ・ソー」など、マーベルコミックスを代表するヒーローを世に送り出しました。
リー氏はスポークスマンとしても知られていて、さまざまなイベントにも積極的に参加していたほか、マーベル・コミック原作の映画にもカメオ出演しまくっていて、原作を読んだことがない映画ファンにも知られるマーベルの顔となっていました。
2008年には、ブッシュ大統領(当時)から「全米芸術勲章」を授与されています。
そんなリー氏の代名詞ともいえる決めゼリフといえば、コミックの編集後記を締めくくっていた「Excelsior!(素晴らしい!)」
マーベルのチーフクリエイティブオフィサーを務めるジョー・ケサダ氏。
「私が今ここにいるのも、最初に読んだコミックとの出会いが直接影響しているのです。私はスタンに『ありがとう』を言っても言い切れません」
マーベルのシニア・ヴァイス・プレジデントを務めるトム・ブレヴォート氏は「スタン・リーの生み出した最高の創作物はいつだって『スタン・リー』でした」と語ります。
「スタンは自分よりもはるかに大きな命をキャラクターに吹き込むことができました」
マーベル・エンターテインメントの取締役で、マーベル・コミックスの発行人であるダン・バックリー氏。
「スタンは興行師のP.T.バーナムから影響を受けています。彼が集団に何かを注ぎ込むと、皆が彼の言うことに従ってしまうのです。何か、前に進み続けるエネルギーをスタンは持ち続けていたんだと思います」
「私が思うに、スタン・リー氏は一種の象徴でした」と語るのはマーベルのコンテンツ・キャラクター部門のヴァイス・プレジデントであるサナ・アマナット氏。
「彼はアメリカの神話を築きました。彼の作った物語は私たちとともにあり続けます」
「彼の作ったキャラクターはマーベルの看板として輝き続けました」
スタン・リー氏は生前、「たとえスーパーヒーローがスーパーパワーを持っていたとしても、彼らが確かに存在していると読者に信じてもらう必要があります。そのため、スーパーヒーローの振る舞いは、同じ状況で普通の人はどう振る舞うかと同じものでなければなりません」とインタビューに答えています。
「スタンが考えたアイデアや意見、視点、そして多様性・平等・その他社会通念に関わるコンセプトや議論はすべて、スタンが今に至るまで長年をかけて築いてきたものです。彼はいつだって私たちの最前線を走っていました」とアマナット氏は語っています。
「スタンは本当のオーディエンスが誰なのか、彼は誰のために物語を書いているのかを理解していたのだと思います」と、ケサダ氏。
ケサダ氏が初めてリー氏の存在を知ったのは、コミックの編集後記だったとのこと。「彼の編集後記は、他の誰でもない読者自身に直接語りかけてきてくるようなものでした。街角の商店で立ち読みしていたとき、気づかぬうちに背後にいた子どもも読んでいて全く同じことを思ったのです」と思い起こしています。
生前のインタビューで、リー氏は「編集後記を書くとき、私は頭に降りてきた内容を読者に語りかけるようにしています。本というのはやっぱり冷たくてよそよそしいものだと買って放り投げてしまいますが、私は『マーベルの本を買った』と読者に感じてほしいから、古い友人と会った時のような気持ちで編集後記を書いています」と答えています。
バックリー氏は「スタンは誰にでも親しみやすく接していたし、皆もスタンを仲間だと思っていました。彼のおかげで私たちは前に進む力を得ることができました。スタンがいなければ、今日のマーベルはここまで成功することはできませんでした」と語ります。
リー氏はファンイベントやコミック・コンベンションへ積極的に参加しては、サイン会や握手会で明るい笑顔を振りまいていました。
「彼のイデオロギーはとてもはっきりしていて、明確に善か悪かを分けています。物語を良くするにはどうしたらいいか。人々を平等に扱うにはどうしたらいいか。彼の考え方は本当にとてつもなくインパクトがありました。」とアマナット氏。
「スタンなしでは今の世界は成り立っていません。スタン・リーはマーベル・ユニバースの心臓なのです。」と、アマナット氏のコメントでムービーは締めくくられています。
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