サイエンス

体内の脂肪の3分の1を18日間で減少させることが可能なタンパク質が発見される

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「FGFBP3」という天然タンパク質を使った治療を18日間行ったマウスが、体内の脂肪の3分の1を減らすことに成功したと、アメリカのジョージタウンにあるがんセンター「Georgetown Lombardi Comprehensive Cancer Center」のAnton Wellstein氏ら研究チームが発表しました。

Fibroblast Growth Factor Binding Protein 3 (FGFBP3) impacts carbohydrate and lipid metabolism | Scientific Reports
https://www.nature.com/articles/s41598-018-34238-5

Obese mice lose a third of their fat using a natural protein -- ScienceDaily
https://www.sciencedaily.com/releases/2018/10/181029084038.htm


研究者は新しい治療法によって、高血糖症のような肥満に関係する障害をマウスから取り除くことに成功したとのこと。また、脂肪肝から脂肪を取り除くことにもなりました。顕微鏡検査や臨床検査を行っても、マウスに副作用は現れていなかったといいます。

FGFBP3は線維芽細胞増殖因子(FGF)の1つである結合タンパク質(BP)で、イモムシからヒトまで、さまざまな生き物の体に存在し、「傷の修復」「細胞の成長の制御」など幅広い生物学的プロセスに関係しています。いくつかのFGFはホルモンのような働きをすることも報告されています。

BP1、BP2、PB3はシャペロンと呼ばれるタンパク質であり、FGFと結合して、体のさまざまな部分で活動するもの。BP1はいくつかのがんで増加することから、「ある種のがん細胞の成長は、FGFの過剰供給と関係している」ということが考えられています。Wellstein氏は長い間、BP1の遺伝子を研究しており、その後、研究者たちはBP3についても研究を行うようになりました。

そして研究者たちは、シャペロンがFGF19、FGF21、FGF23という3つのタンパク質と結合することが、代謝のコントロールに関係していると発見。FGF19とFGF21のシグナルは炭水化物(糖)や脂質(脂肪)の貯蔵や使用を制御していました。また、FGF23はリン酸代謝をコントロールしていました。

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「私たちは、BP3が代謝調節に対して著しい影響を与えていることを発見しました」「BP3シャペロンが増加すれば、シグナルの増加によってFGF19やFGF21の影響も大きくなります。これが、BP3が炭水化物やリン酸の代謝の強力な『ドライバー』である理由です。ニューヨークでより多くのタクシーが利用可能になれば、移動を必要とする全ての人を送り届けることができるように」とWellstein氏は述べています。

さらに、Wellstein氏は「代謝が上がれば、血中の糖や肝臓で処理される脂肪はエネルギーに変えられ、貯蓄されません」「またFGF21の仕事は脂肪の分解をコントロールすることにあり、既にある脂肪の貯蔵についても同様のことがいえます」と続けました。

今回の研究結果は科学者たちを興奮されるものであったものの、FGFBP3が人間の代謝障害治療でも同様に効果があるのかどうかを調べる前に、さらなる研究が必要だとされています。

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in サイエンス,   生き物, Posted by darkhorse_log

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