Facebookが「広告再生時間」を最大で900%も水増しする粉飾を行っていたとして訴えられる
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Facebookが同プラットフォーム上で表示されている動画広告の再生時間を「水増し」していたとする訴訟が起こされています。また訴えでは、Facebookはその状態を知りながら1年以上も放置していたことも指摘されています。
Advertisers Allege Facebook Failed to Disclose Key Metric Error for More Than a Year - WSJ
https://www.wsj.com/articles/advertisers-allege-facebook-failed-to-disclose-key-metric-error-for-more-than-a-year-1539720524
Facebook inflated ad metrics up to 900 percent: lawsuit
https://www.mercurynews.com/2018/10/16/facebook-lured-advertisers-by-inflating-ad-watch-times-up-to-900-percent-lawsuit/
Wall Street Journalが報じた内容によると、訴えを起こしたのは小規模広告主からなる原告グループです。広告主にとっては自分たちが出稿する広告が「どの程度見られるか」が極めて重要な要素であるわけですが、Facebookがその実績値を不当に操作して虚偽の情報を提供して広告主を欺いたとして、広告主グループはFacebookを相手に訴訟を起こしました。
原告団は2016年の時点で最初の訴えを起こしており、今回はその内容を修正する形となっているとのこと。その内容によると、Facebookは広告再生時間を管理するシステムに不具合があることを2015年1月の時点で把握し、その後数カ月以内に原因を突き止めていたにもかかわらず、1年以上にわたって情報を公開してこなかったとされています。
By Darren Mckeeman
Facebookは2016年の時点で問題を「最近になって把握した」としていますが、これは「2015年1月に把握した」という内容と一致しないとのこと。また、その時点でFacebookはいくつかの広告主に「動画広告再生回数が60~80%程度多くカウントされていた」と説明していましたが、原告グループによると実際にFacebookが水増ししていたのは150~900%、つまり最大で9倍にも達していたとされています。Facebookはこの「900%」に対してのコメント要請にはまだ応じていないとのことです。
原告グループは修正を行う際に「事件の背後でFacebookが取った内部的な行動は、正しい指標に対する同社の無謀なまでの無関心さが現れています」と批判しています。これに対し、Facebookの広報担当者は「我々がこの問題をパートナーから隠そうとしていたという指摘は誤りです。我々はこの問題が生じた時点でパートナーに状況を説明しており、問題を解説するためにヘルプセンターを更新しています」と反論しています。
原告グループは、他の広告主を巻き込むために集団訴訟に持ち込みたい構えを見せているとのこと。また、法廷には第三者によるFacebookの動画広告カウントシステムの監査を求める方向です。
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