人気ドラマの制作現場では「自動消滅する台本」や「ドローンキラー」など徹底したネタバレ対策が行われている
世界的に人気のある映画やドラマの制作で重要なのがネタバレとの戦いです。観客をあっと言わせるどんでん返しを脚本や演出に盛り込んでも、台本の流出や撮影現場の盗撮によって台無しになってしまう可能性があります。世界中で人気の高い中世ファンタジードラマで、2019年に最終シーズンを迎える「ゲーム・オブ・スローンズ」の撮影現場では徹底的にネタバレ対策が施されていると報じられています。
‘Game of Thrones’ Used ‘Drone Killers’ To Prevent S8 Spoilers
http://screencrush.com/game-of-thrones-drone-killer-fake-scenes-season-8/
‘Game of Thrones’ Season 8 Scripts That ‘Self-Destruct’ | IndieWire
https://www.indiewire.com/2018/06/game-of-thrones-season-8-script-1201971192/
ドラマや映画の注目作に対する報道は過熱する一方で、ネタバレ情報はインターネットを介してあっという間に広まってしまいます。制作現場がこうしたネタバレからファンを守るためには、コストがかかっても徹底した対策を取らざるを得ないのが現状となっています。例えば「スター・ウォーズ」の台本は、一切コピーできないよう、赤い紙に印刷したものが使われています。
「ゲーム・オブ・スローンズ」はジョージ・R・R・マーティン氏のファンタジー小説シリーズ「氷と炎の歌」を原作としたテレビドラマです。2011年から放映が始まった「ゲーム・オブ・スローンズ」は世界的な人気を得て、エミー賞やゴールデングローブ賞など数多くの賞を受賞しましたが、2019年のシーズン8で完結する予定が発表されました。
by umairadeeb
「ゲーム・オブ・スローンズ」のシーズン8は2018年に撮影されていますが、世界中に人気があるドラマが完結するということで、パパラッチが撮影の様子を盗撮したり台本を盗み出して流出させたりする危険性があります。物語上重要な仕掛けや結末を暴露してしまうネタバレは、作品のファンの楽しみを損なう可能性もあるため、撮影スタッフは厳重なパパラッチ対策を施さなければなりません。
「ゲーム・オブ・スローンズ」でジェイミー・ラニスター役を務めたニコライ・コスター=ワルドーによると、「ゲーム・オブ・スローンズ」がどんな結末になるのかは俳優にすら知らされておらず、何パターンものエンディングが用意されている上に、デジタル化された台本は時間が経過すると自動的にデータが消滅するという徹底ぶり。コスター=ワルドーは「まるで『ミッション:インポッシブル』みたいに台本が自動的に消えるんだ。スタッフはめちゃくちゃ厳格に管理してるよ」と語っています。
また、劇中でサンサ・スタークを演じるソフィー・ターナーはニューヨークで行われたコミック・コンベンションで、「本編では使わないようなウソのシーンをいくつも撮影することで、制作スタッフがパパラッチの情報をかく乱させていた」と明らかにしました。また、偽のシーンを用意するだけではなく、撮影中に台本内の固有名詞は全て偽のものに変更されていて、演じる俳優ですら全ての展開を把握しているのはごく一部だったということ。さらに、パパラッチが操作するドローンによる盗撮を避けるために、撮影現場ではドローンの信号を妨害して着陸させる「ドローンキラー」が用いられていたとターナーは語っています。
ドローンキラーがどういうものなのかは以下のムービーでよく分かります。
Oceanside Gets "Drone Killer" | San Diego Union-Tribune - YouTube
既に「ゲーム・オブ・スローンズ」の最終シーズンがどういった結末になるかについては既にさまざまな報道が飛び交っていて、隠し撮りされた写真を含めて報じられてしまっています。しかし、制作スタッフもネタバレからファンを守るために徹底した対策を施しているため、各所で報じられている展開がどこまで本当かは不明です。
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