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Microsoftが6万件の特許を無料開放へ、Linux保護のため


MicrosoftのOpen Invention Network(OIN)への加入が発表されました。これで、Microsoftが抱える6万件の特許がオープンソースとしてOINコミュニティに開放され、Linux開発者が利用できるようになります。

Microsoft Joins the Open Invention Network Community
https://globenewswire.com/news-release/2018/10/10/1619375/0/en/Microsoft-Joins-the-Open-Invention-Network-Community.html

Microsoft joins Open Invention Network to help protect Linux and open source | Blog | Microsoft Azure
https://azure.microsoft.com/en-us/blog/microsoft-joins-open-invention-network-to-help-protect-linux-and-open-source/

ソフトウェアに関して、著作権フリーの表示は明示的でわかりやすいものですが、ソフトウェアに含まれる特許技術に関してはそうではないため、魅力的なソフトウェア技術があっても開発者としては手を出しにくい、ということがよくあります。このような問題を解決し開発者を保護すべく、OINはソフトウェア開発者が保有する特許を開放して他の開発者に無償で提供し、相互のクロスライセンスを奨励することで、Linuxなどのオープンソース・ソフトウェアの開発における特許リスクを減らしています。OINは記事作成時点で世界中から企業500社を含む2650人のメンバーが参加するライセンスプラットフォームを提供しています。

このOINにMicrosoftが参加することが発表され、Microsoftの保有する約6万件の特許技術が開発者に無償で開放されることになりました。OINのキース・ベルゲルCEOは、「オープンソースの開発は、新製品や市場の中で拡大を続けており、これまでにないレベルの革新を生み出しています。MicrosoftはOINに参加することで、将来の成長に向けたオープンソースソフトウェアの重要性を示してくれました」とMicrosoftのOIN参加を手放しで歓迎しています。

Microsoftのエリック・アンデルセン副社長は、「Linuxやその他のオープンソースソフトウェアを特許リスクから守るために貢献しているOINに参加するというMicrosoftの決定は、一部の人にとって驚くべきことです。Microsoftとオープンソースコミュニティとの間には、特許の問題に関して摩擦があったことを隠しません」と述べ、これまでの経緯について触れた後に、「OINに加わることは、Microsoftの特許の取り扱いが、Linuxやオープンソースへのより一般的な見解を反映し、進展していることを表しています」と述べています。

Microsoftは2008年にASP.NETの一部をオープンソースにしたのを皮切りに、.NET Core、TypeScript、VS Code、Powershellなどでもオープンソースプロジェクトを展開してきました。

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また、Windowsのオープンソース化の話が飛び出したり……

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MicrosoftストアでLinuxディストリビューション「Ubuntu」や「WLinux」を配信したりするなど、Microsoftのオープンソースとの距離感は、かつての「反Linux活動」時代とは隔世の感があります。

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アンデルセン副社長は「オープンソースプロセスを通じた共同開発は、革新を加速できることも学びました」と述べており、10年来のオープンソースへの取り組みがMicrosoftの成長に貢献するというウィンウィンの関係を築くことに成功したようです。いずれにせよ、MicrosoftのOIN加盟はLinuxコミュニティをはじめとするオープンソースソフトウェア開発者にとって喜ばしい出来事になりそうです。

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in ソフトウェア, Posted by logv_to