ハードウェア

火山の噴火口にドローンで落として設置する装置「竜の卵」とは何か?


万一の噴火に備えて火山活動を日々観測することは大切です。しかし、噴火の危険性を考えると、調査活動は限定されたものにならざるを得ません。そんな火山活動を遠隔地から安全に調査できるように「Dragon Eggs(竜の卵)」と呼ばれる端末が開発されています。

September: Dragon Eggs | News | University of Bristol
http://www.bristol.ac.uk/news/2018/september/dragon-eggs-hatched.html

イギリスのブリストル大学の研究グループが、温度や湿度、振動、有毒ガスの検出などを行えるセンサーを内蔵した小型の火山調査装置「Dragon Eggs」を開発しています。Dragon Eggsはドローンで持ち運べるほど小型かつ軽量の端末で、遠隔地の研究者に火山活動の様子をデータ送信するIoT端末です。


Dragon Eggsを火山の噴火口にドローンで運んで設置する様子は、以下のムービーで確認できます。

Landing a "Dragon Egg" Sensor on an Active Volcano - YouTube


ムービーで確認できる通り、Dragon Eggsは噴火活動を行っている火山でさえ、ドローンを使って安全に設置することができるという特長があります。Dragon Eggsの無線トランスミッタによって火山活動のデータは衛星を介して送信され、遠隔地の研究者に火山の状態を送り届けられます。


Dragon Eggsは火山活動にともなって発生する振動を検出すると起動する仕組みになっています。さらに、Dragon Eggsは振動によって発生する微小なパルスをエネルギー源にして起動することができ、スリープ中にバッテリー消費を伴わない「ゼロパワーリスニング」技術が採用されています。そのため、火山活動が起こり、"卵がふ化"するまで、数カ月も待機することが可能だとのこと。そして、5ピコジュールという微小なパルスでさえ起動できるほど鋭敏な感度も備えており、「センサー駆動による低消費電力モニタリング装置の限界を大幅に押し広げることに成功した」と、ブリストル大学の物理学者ヤニック・バーベルン博士は評価しています。

Dragon Eggsはあくまで概念実証に成功した段階で、今後は実際の火山に設置して火山活動をモニタリングする試験が実施され、実用性が試される予定です。

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in ハードウェア,   サイエンス,   動画, Posted by darkhorse_log

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