パンダの習性を逆手に取った「双子パンダの育て方」とは?
By putneymark
パンダは双子の子どもを産んだとしても、一方の子どもしか面倒を見ない習性があり、世話を受けられなかったパンダは餓死してしまう傾向があります。そこで、中国の成都にある動物園では、あるトリックを使って1頭のパンダに両方の子どもの世話をさせる方法を取り入れています。
Panda Doesn't Realise She's Had Twins! | BBC Earth - YouTube
中国の成都にある動物園のパンダ「リーリー」は双子の赤ちゃんを産んで、18日が経過しました。
リーリーは子どもをしっかりとかわいがっていて、子パンダも元気そうです。
リーリーのように双子の赤ちゃんを産むパンダは珍しくはなく、パンダが産む赤ちゃんの約半数が双子であることがわかっています。しかし、ほとんどの場合、パンダの母親は片方の子どもの育児を放棄してしまいます。一説には「パンダが2匹の子どもを世話するのに十分なミルクとエネルギーがないため」と言われており、根本的にパンダは一度に1匹しか育てられないとされていました。しかし、成都の動物園では「ある技」を使って、リーリーに2匹の子どもの世話をさせています。
まず、飼育係が「はちみつ水」の入った器をリーリーの口元に持っていき、器に注意を向けます。
リーリーがはちみつ水をなめている間に、飼育係は子パンダを回収します。
すると、リーリー自身も子パンダが回収されたことを理解している様子ですが、抵抗することなく、はちみつ水をなめ続けています。リーリーは子パンダを回収した飼育係のことを信頼しているようです。
回収した子パンダはタオルにくるまれて……
インキュベーターに連れて行かれます。
そして、インキュベーター内で寝ているもう一方の赤ちゃんをタオルでくるんで……
リーリーの元に持っていきます。
リーリーがもう一方の赤ちゃんであると気づいているかは定かではありませんが、すぐに子パンダを胸元まで持っていって、先ほどと同じようにかわいがり始めました。
飼育係は1日に10回このような入れ替えを行っていて、2匹の赤ちゃんパンダにリーリーのミルクが行き渡るようにしています。また母親と接する時間が短いため、ミルクの足りない分は調合乳で補っており、栄養不足も解消するように配慮されています。なお、この動物園によると、入れ替え方法をとることでパンダが育児放棄するケースはなくなっており、赤ちゃんパンダの生存率は100%を維持しているとのことです。
・関連記事
「シャンシャン(香香)」誕生を祝福して上野の街がパンダだらけになっている - GIGAZINE
パンダの赤ちゃんたちが脱走を試みるただただ癒やされるムービー - GIGAZINE
なぜパンダは白・黒の色なのか? - GIGAZINE
ジャイアントパンダはもはや絶滅危惧種ではない - GIGAZINE
パンダのかわいらしい姿をそのまま英数字や記号にしたWWFの「PANDA FONT PROJECT」 - GIGAZINE
・関連コンテンツ