ジャイアントパンダはもはや絶滅危惧種ではない
By Dan G
白と黒の体毛がキュートな「ジャイアントパンダ」は、竹林伐採や農地開発による生息地の破壊、毛皮目的の狩猟などにより個体数が激減していき、20世紀には絶滅の危機に瀕していました。世界最大の自然環境保護団体である世界自然保護基金(WWF)がそのシンボルキャラクターとして起用し、自然および動物の保護を訴えてきたジャイアントパンダですが、その個体数は回復傾向にありもはや絶滅危惧種とは呼べない状況だそうです。
Giant Panda no longer an endangered species - CBBC Newsround
http://www.bbc.co.uk/newsround/37273632
ジャイアントパンダの個体数は、その唯一の生息地である中国で数十年にわたって行われてきた保護活動の成果で確実に増加してきています。2016年時点でジャイアントパンダの個体数は約2000頭ほどになっており、もはや絶滅危惧種とは呼べないとBBCは報じました。しかし、ジャイアントパンダがまだまだ将来的な森林破壊や気候変動により大きく個体数を減らす可能性は十分にあるそうです。ジャイアントパンダの保護活動は特別な繁殖プログラムと生息地となる竹林保護の2本柱で行われています。
なお、WWFの「パンダの保護活動」というページによれば、2000年に公開されたレポートには「現在のジャイアントパンダの個体数はおよそ1600頭あまり」と記されています。つまり、ジャイアントパンダは16年で25%も個体数が増加したという計算になります。
By gill_penney
ジャイアントパンダの個体数増加は、国際自然保護連合(IUCN)が作成する絶滅のおそれのある動植物のリスト「レッドリスト」の中で明かされました。レッドリストには8万2954種類の動植物がリストされており、この中の2万4000種はいまだに絶滅の危機に瀕しているものたちです。ジャイアントパンダが絶滅危惧種とは呼べないくらいの個体数に増加した一方で、一部のゴリラなど類人猿3種が新しくレッドリストに加えられています。
アフリカに生息するゴリラは密漁でその個体数を減少させていますが、インドネシアやマレーシアに生息するオランウータンたちは急速な森林破壊に伴いすみかを奪われています。また、ボルネオ島やスマトラ島に生息するオランウータンも、絶滅の危険性があるとして注視されているそうです。
By Bernard DUPONT
加えて、絶滅の危機に立たされているのは動物だけではないようで、ハワイの在来植物の約90%が絶滅の危機に瀕していると評価されています。
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