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ウェブサイトのAMP対応を行ってコンバージョン率が70%低下した理由とは?


AMPはGoogleが提唱するモバイルウェブサイト用のフレームワークで、ウェブサイトをAMP化することでページのロード時間を大幅に短縮することが可能です。ソフトウェアの開発会社のRockstar CodersでCTO(最高技術責任者)を務めるネイサン・コントニー氏は、これまでにコンバージョン率(ウェブサイトの訪問者数あたりの成約に至った割合)アップの対応を行い、当初の500%の水準にまで伸ばしてきました。しかし、自社のウェブサイトをAMP化したところ、コンバージョン率が70%も下落してしまったとのことです。

Google AMP - A 70% drop in our conversion rate. - Rockstar Coders
https://www.rockstarcoders.com/google-amp/

コントニー氏はRockstar Codersのウェブサイトにあらゆる対応を行って、コンバージョン率を500%に高めることに成功していました。そして、Googleが「AMPに対応しているサイトの検索結果を非対応のサイトより上位にランク付けするかもしれない」と説明していたことから、次にAMP対応を行うことにしたそうです。

そして、数週間にわたって対応を続けた結果、Rockstar CodersのAMP対応が完了。これでコンバージョン率はさらに上がると確信していたコントニー氏でしたが、待っていたのは、AMP対応後にコンバージョン率が70%ダウンしたという事実でした。


コントニー氏は「コンバージョン率が落ちた原因はさまざまな要因が考えられるため、何が原因かを特定するのは難しい」としながらも、原因の候補を3点挙げています。

1点目はURLです。AMP対応ページは、URLがGoogleドメインになってしまいます。通常、ニュースサイトの記事がGoogleのドメインで配信されていても、誰も気にすることはありませんが、ビジネスとなると話は変わってきます。近年はフィッシング詐欺などが原因でセキュリティ問題が発生することがあります。このことから、コントニー氏は「怪しいURLのウェブサイトには誰もアクセスしたがらないのではないか」と語り、コンバージョン率が下がる一因になっているのではないかと推測しています。


2点目は「AMP対応したページにも関わらず、ページが表示できないことがある」というもの。以下は、Google ChromeのデベロッパーツールでRockstar Codersのウェブサイトを表示したものですが、特にエラーが表示されているわけでもないのに、真っ白のページが表示されています。


コントニー氏によると「この画面が表示されるのはコーディングの問題で回避可能」としていますが、この画面が表示される頻度は高くなく、内部テストでは表示されなかったそうです。この状態のままAMP対応サイトがリリースされた後は、真っ白の画面が表示されてしまった顧客が続出したことは言うまでもありません。そして、顧客に「Rockstar Coderの技術力が低い」と印象づけてしまったことで、コンバージョン率の低下につながる可能性があります。コントニー氏はこの問題について、「AMPに実装された独自仕様のJavaScriptが原因で起きている現象だろう」と述べており、慎重にテストを行わないと気付けない厄介な問題であるとしています。

3点目は「レイアウトが崩れてしまう」という点です。実際、コントニー氏は時間をかけてAMP対応を行いましたが、AMP対応前のウェブサイトと全く同じ表示にすることはできませんでした。以下はAMP対応前のレイアウト(上)とAMP対応後のレイアウト(下)を比較した画像です。対応前はタイトル行を2行で収めることができていますが、AMP対応後の画面ではこの状態を再現できず3行となっており、レイアウト崩れが発生しています。同じようにレイアウトが崩れているページは他にもあることから、「デザインの変化もコンバージョン率に影響しているかもしれない」とコントニー氏は述べています。


最後にコントニー氏は「もちろん、これらがコンバージョン率を70%引き下げた原因の全てではない」としながらも、コンバージョン率を上げる目的でAMP対応を実施するには想定する以上に時間をかけて、対応前と一切変わらないウェブサイトを作る必要があると述べています。

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