ゲイに対する「セックスしてから1年間は献血禁止」という条件は差別であるという訴えが起こされる
by Derek E-Jay
フランスで献血の際に定められている「男性同性愛者は1年間性的接触がない場合のみ献血可能」という規定について、欧州人権裁判所に差別訴訟が提起されたことがわかりました。
France faces suit over no-sex rule for blood donations by gay men
https://www.timeslive.co.za/news/world/2018-06-22-france-faces-suit-over-no-sex-rule-for-blood-donations-by-gay-men/
France Ends Ban on Blood Donation by Gay Men
http://www.newsweek.com/gay-blood-donationfrance-gay-blood-donationgay-blood-banfrance-tainted-blood-597591
Laurent Drelonさんは、2004年以来、何度も献血を断られたため、提訴に踏み切ったとのこと。Patrice Spinosi弁護士は「フランスの法律が差別的か否か、はじめて欧州人権裁判所が判断することになります」と語っています。
複数の国で男性同性愛者の献血に対する制限が始まったのは1980年代のこと。HIVの感染経路の1つが「性的接触」であることから拡散防止を目的として作られたルールでした。ただ、「性的接触」は男女間や女性同士も含まれますが、特に男性同性愛者の感染者数が多いと考えられたため、献血の制限は男性同性愛者に対するものとなりました。
しかし、21世紀に入ってこの制限は世界的に緩和される方向に進んでいて、たとえばイギリスでは2011年11月に、アメリカでは2014年12月に男性同性愛者の献血を解禁。2015年10月にはオランダ、そして2015年11月にフランスでも同様に献血が解禁されました。ただし、「献血から1年以内に性的接触がないこと」という条件が付けられました。
ゲイ・バイセクシャルの男性からの献血が世界的に解禁傾向 - GIGAZINE
Spinosi弁護士は「献血をするためには1年間の性的接触を禁じる」という条件はEU人権条約で述べられている「性別や性的指向に基づくもの、プライバシー権を侵害するもの」であると指摘しています。
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