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Nintendo Switch向けのクラウドゲームが今後増えていく可能性


カプコンの「バイオハザード」シリーズ最新作「バイオハザード7 レジデント イービル」がNintendo Switch向けに2018年5月24日から登場しています。Nintendo Switch版「バイオハザード7 レジデント イービル」は、従来のパッケージ版やダウンロード版でのリリースではなく、「クラウドゲーム」と呼ばれる新しい形で配信されているのですが、カプコンは他にもクラウドゲームによるタイトルリリースを予定していることを明らかにしています。

More Nintendo Switch Videogames May Be Coming Via the Cloud - WSJ
https://www.wsj.com/articles/a-spotify-for-videogames-companies-look-up-to-cloud-for-game-services-1529572643

Nintendo Switchのゲームには通常、ソフトカードを本体に挿して遊ぶ「パッケージ版」と専用ストアからデータをダウンロードして遊ぶ「ダウンロード版」の2種類が存在します。パッケージ版は遊びたいソフトのカードを本体に挿さないと遊ぶことはできず、ダウンロード版は何GBもあるゲームデータをインターネットを介してあらかじめ全てダウンロードしなければなりません。

しかし、バイオハザード7のような「クラウドゲーム」ではゲームデータをダウンロードする必要はなし。コントローラーによる操作情報がインターネット回線を通じてクラウドサーバーへ送信され、ゲームの演算・処理・通信は全てクラウドサーバー上で行われます。そして、その結果となる動画・音声が再びインターネット回線を通じてゲーム機で表示されるという仕組みです。遊ぶためには専用アプリをダウンロードさえすればOKで、各ゲーム機ごとに移植を行うコストを大幅に削減できます。


また、パッケージ版やダウンロード版ではゲームデータを買い切る形で購入しますが、クラウドゲームはクラウドサーバーを利用できる権利を時間に応じて購入するという形になります。例えばNintendo Switch版「バイオハザード7 レジデント イービル」は、180日のプレイ券を税込2160円で購入して遊ぶことができます。

クラウドゲームのサービスはこれまでにも、PlayStation 4・PlayStation 3のタイトルをPCやPlayStation 4で遊ぶことができる「PlayStation Now」や、Android版・ニンテンドー3DS版「ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン」などでも利用されていました。また、セガの人気オンラインRPGである「ファンタシースターオンライン2」のNintendo Switch版も、クラウドゲームとして提供されています。

Nintendo Switch向け『PSO2 クラウド』特設サイト|SEGA


The Wall Street Journalの記者である望月崇さんがカプコンへ取材を行ったところ、カプコンは今後もクラウドゲームでタイトルリリースを行うことも計画しているとのこと。Nintendo Switch版「バイオハザード7 レジデント イービル」の売り上げ次第では、カプコンは他タイトルもNintendo Switchでクラウドゲーム化することも考えているそう。カプコンのみならず他の企業も追随する可能性もあります。

Switch向けにクラウド版バイオ7を出したカプコン。同スキームを使って他にもソフトを出す計画が。移植に比べるとコストがかからずソフトの寿命を伸ばせ魅力的と。試みが成功したら他社も同じ方法を使ってくるかも。なお、写真は私が選んだものではないので他意はありません。https://t.co/67VLIopiDS

— Takashi Mochizuki (@mochi_wsj)


ただし、クラウドゲームは大容量のデータを常にインターネットでやりとりできる環境でなければ遊ぶことができないため、いつでもどこでも持ち運んで遊ぶことができるというNintendo Switchの利点の1つが失われてしまうといえます。また、クラウドゲームは入力から出力までに遅延が必ず生じてしまうため、60分の1秒単位でタイミングが要求される格闘ゲームやシューティングゲームでは導入は難しいものがあります。それでも、今までよりも安い価格で大型タイトルを遊ぶことができるクラウドゲームはユーザーにとって魅力的。今後のクラウドゲームの普及に期待したいところです。

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in ゲーム, Posted by log1i_yk

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