自分のアイデアをいろんな会社のCEOに手紙で送ってみてわかったこととは?
「面白いアイデアはあるけど自分には実現できそうにない」と考えてしまい、実行に移すことを諦めている人が多いはず。投資家のジョン・デフェオ氏も同じ悩みを抱えたことがあったのですが、「どうせなら実現できそうな人にアイデアを委ねてみよう」と考え、自身のアイデアを手紙を書き、いろいろな会社のCEOに送ってみたそうです。
Why I Write Letters to CEOs (and What I've Learned by Doing So)
https://www.johnwdefeo.com/articles/why-i-write-letters-to-ceos
デフェオ氏がCEOに宛ててアイデアをしたためた手紙を送ってみたところ、多くのCEOから返信を受け取ることになったとのこと。石けんや洗剤の開発を行っているColgate-PalmoliveのCEOであるイアン・クック氏からは、デフェオ氏のアイデアに対して1つずつコメントを付けられた手紙が、工業製品メーカーのWD-40のCEOであるガリー・リッジ氏からは手書きの手紙とサイン入りの本が届きました。また、お菓子メーカーのJ&J Snack FoodsのCEOであるジェラルド・シュレイバー氏からはデフェオ氏のアイデアを同社のマーケティングリーダーに伝えたことの報告、清掃機器メーカーのTennant CompanyのCEOであるクリス・キリングスタッド氏からはお礼の手紙、そして投資ファンドのBerkshire HathawayのCEOであるウォーレン・バフェット氏からもお礼の手紙が送られてきたそうです。
デフェオ氏は仕事で忙しいと思われる大企業のCEOが個人のアイデアに対して手紙を返送してくれるということに驚きましたが、それ以上に驚いたことは、デフェオ氏のアイデアに対して、しっかりとしたコメントが書かれていたことでした。
たとえば、クック氏はColgate-Palmoliveの市場調査と経営戦略を引用し、デフェオ氏のアイデアとの企業戦略と異なる点を一つ一つ指摘した上で、「実現が難しいこと」を示してくれたそうです。実際に企業の方針と異なるにもかかわらず、クック氏が丁寧な返信を行ってくれたことに、デフェオ氏は感謝を述べています。
デフェオ氏は名前こそ明かさなかったものの、2人のCEOからは「このアイデアを実行するには、別の事業をとりやめる必要があり、それをするだけのメリットが会社にはない」といった内容の回答があったとのこと。この2社はデフェオ氏のアイデアを高く評価しているものの、実際に行うタイミングではない判断していました。デフェオ氏は「新しいアイデアを得ても、企業の方向性を変えない決断をするという潔さが素晴らしい」と感想を語っています。
デフェオ氏によると、手紙を送ったCEOのほとんどが回答をくれたそうですが、2人のCEOからは回答を得ることができなかったとのことです。そこで、同氏は回答をくれたグループと回答のなかったグループに分け、両者の比較してみることにしました。
すると、回答をくれたグループの年間利益率が8.97%高いという事実が判明。デフェオ氏は「この差は生涯にわたって見た時に、数百万ドル(数億円)の差がつくものだ」として2つのグループに大きな差があることを強調しています。デフェオ氏はサンプル数が少ないため統計的に意味を持たないと前置きしつつも「この結果は何かを意味していると確信した」として、今後は回答をくれたようなCEOのいる企業に投資したい意向であることを明らかにしています。
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